仕事を楽しむ
今まで色々と、第二の人生のことを、お話しましたが、ちょっとまとめてみましょう。
50歳を過ぎた人が、一番沢山するものは、何でしょうか。寝ている時間を別にしますと、それは間違いなく仕事です。仕事に一番時間を使い、仕事をするための準備や後始末にも沢山時間をつかいます。やはり、仕事は、第二の人生でも主役なのです。
ただ、前半戦の仕事と後半戦の仕事は、本質的に違うことは、再三お話したとおりです。
仕事は、強制から自主へ、義務から趣味へ、苦しみから楽しみへと変わります。そして、その切り替えのポイントをリセットと呼ぶのは、きわめて適切と思います。
リセットは、もちろん人により違いがあります。いつの間にかリセットになっている人もいるでしょうし、一大決心、大努力でリセットする人もいます。しかし、同じ人間が働いているのですから、継続性のあるのも事実で、どんなパソコンをリセットしても、スパコンやメインフレームにはなりません。リセットはやはり気持ちの問題で、同じ顔かたちでも、気持ちの上で生まれ変わってしまっている、というのが正しいでしょう。
さて、仕事の上でリセットしますと、生活が変わってきます。家庭環境も友達も変わってきます。それは、あきらかに、以前より良いところだらけです。もう一度、具体的にお話ししましょう。
定年になった人の多くが、毎日が日曜日になります。それは夢のようだ、どんなに幸せだろう、と思うのは、大変な誤解です。日曜日に価値があるのは、他の日に働いているからです。お正月や誕生日がめでたいのはそれが年に一回しかないからで、毎日がお正月だったり、誕生日だったりしては、興ざめでしょう。うなぎも土用に食べたら美味しいが毎日では苦行になります。
妻の顔も夫の顔もたまにしか見ないから、愛しくもなるのですが、毎日24時間顔をつきあわせていたら、飽きもきます。まして、今までお互いに自由な時間を持っていたサラリーマン夫婦が、いきなり毎日一緒にいたら、たちまち関係がおかしくなります。
毎日が日曜日は、毎日が一様日の夫婦喧嘩で、時日を経ずして熟年離婚の大不幸になるわけです。
ですから、リセット。働くのは、家庭崩壊を防ぐ目的もあります。一週間に4,5日働いて、週末や休みの日に、家庭サービスもやり、自分の趣味もやる、というリズムが、普通の人には一番良いようです。
前にも述べましたように、働くのは健康に良いです。とくに、通勤がいいですね。これは、歳をとったら、おっくうになり、運動不足、そして筋肉が弱り、体がいうことを利かなくなり、車椅子、寝たきりへと転落していくのを、初期の段階で防止できる最善の手段です。
車通勤はやめたほうがいいです。車ほど、体をだめにするものはありません。一番良いのは、歩くこと、次は自転車ですね。
電車で通勤をしますと、良い事が沢山あります。色々な服装をした、変わった人に会えます。美人もいれば、こうはなりたくない奇人もいます。季節の変わり目も敏感に感じられます。夏服を着た女性たち、という有名な詩がありますが、どの季節もそれなりに楽しいものです。
短いTシャツと股上のつまったジーンズが流行った時は、座っていると、目の前に女性のおへそがあり、目のやり場に困ったこともありました。服装だけでなく、中吊り広告をみていますと、世の中のゴッシップの様子もわかりますから、世間知らずにはなりません。
通勤の楽しみは、目的の駅に到着してからもあります。途中でどこかによって、朝のコーヒーを飲む。これがまた、色々バラエティーがあって、クロワッサンにカフェオレもあれば、ゆで卵食べ放題、なんてものまである。
コーヒー店で毎朝会う、素敵な異性というのは、万国共通ロマンチックなもので、高校生の頃、通学途上でいつも会う女子高生にほのかに憧れるのに似ていますね。
帰りに立ち飲みやで一杯やる、というのも、新入社員時代にかえったようで、良いものです。こういう話はきりがないですが、サラリーマンも長くやっていると、本当の楽しみ方を忘れてしまうような気がします。リセットで初心に帰ると、楽しみも帰ってきますね。
さて次回は、サラリーマンでない人のリセットのお話をしましょう。
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