仕事を楽しむ
こんな話を聞いたことがあります。アメリカの一流大学の卒業生で一番優秀な人は、自分でベンチャーを起業する。ビルゲイツを目指すわけですね。その次のグループは、ベンチャーに参加して、腕を磨いてから自立を図る。それ以下だと、仕方がないからGMだのIBMといった大企業に入る。一番使い道のない人は財務省にでも入って、お役人になる。
日本とちょうど逆ですね。日本では、少なくとも、これまでは、良い大学を一番でも出ようものなら、公務員試験を受けて、それも一番になったら、大蔵省(今の財務省)に入るというのがエリートコースでした。優秀な人は公務員になり、または大企業に入り、日本の政治と経済を発展させるということになっていました。そして、それが個人の夢の実現にも繋がっているような幻想を生み出していました。
しかし、実際は公務員がそんなに面白い仕事であるはずはありません。規則やしきたりでしばられていますから、個人の才能を自由に伸ばせるような局面は、極端に少ないでしょう。
権力亡者になるか、他人の痛みなどわからない非人間的な性格になってしまい、空前の借金大国をつくりあげるようになってしまったのも、無理からぬことです。ということで、公務員の人気がなくなっているのは、誠に歓迎すべき現象です。
もちろん、公務員の中には、仕事も真面目にやり、国の為に尽くし、それでいて人間性を失っていない方もたくさんおられるでしょう。小僧comに参加されるような方は、その証です。公務員の改革は、民間との間で、大幅な人事交流を定期的に行うことです。公務員という特別な職種を世の中からなくしてしまうことです。
それが実現されるまで国民と公務員の不幸は継続すると信じてやみませんが、そのことについては、また、別に議論をする機会をいただきましょう。
大企業はどうでしょうか。高賃金で優秀な人材を沢山集めましたが、その多くを死蔵し、腐らせたのではないでしょうか。目一杯実力を発揮し、働いたという人は少数派でしょう。ここもまた、しきたりや、官僚主義にたたられて、不遇な一生を送った方が多いように思われます。まして、この頃は、リストラ、早期退職などが大流行で、安閑としてはおれません。自分の人生設計のできぬまま、何も特技も身に着けず。突然放り出されないように、用心しなければなりません。まして、大企業は第二の人生に役立つようなことは、退職金の支給くらいしか、してくれないのです。
こうみていると、能力、体力に自身のある方なら、特技を学べて自分の運命を支配できる小さな会社に入るか、自営業を始めるのが、最善の選択肢のように思われます。日本もアメリカに似てきたのでしょう。ただ、日本はまだまだ、起業や中小企業のメカニズムが未発達ですから、慎重にことを運ばねばならないことは明白です。
私は、ソニー勤務中に、子会社に配属になり、その中でも閑職を得ていたことは、前に書きましたが、その時、ベンチャー支援の活動をしていたことがあります。その時の体験からいくつか、起業について、申し上げます。
まず、現在日本ではどんな人が起業しているかといいますと、それはほとんどの場合、まともな仕事につけない人たちです。失礼な、と言われるでしょうが、それは現実です。素晴らしいアイディアがあり、仲間もいて、資金も豊富、世直しの理想、独創的な理念に燃えて会社を創業したケースもなくはないでしょうが、極めて稀なケースのように思われてなりません。ベンチャーで成功しているのはそのような人たちで、それは千分の一、万分の一のケースなのです。
シニアの起業も同じような傾向があります。どこでも雇ってくれないから、自分たちで会社を創ってみよう、というような形です。これは成功する確率は、限りなくゼロに近いです。
もちろん会社にもよります。私が属している人材紹介業は、きわめて参入しやすい業種です。
それなりの仕事をしてきたサラリーマンが定年になったら、あるいは失職したら、タクシーの運転手になるか、ラーメン屋になるか、人材紹介をはじめるか、と言われています。運転手さん、ラーメン屋さん、ごめんなさい。中には立派な業のプロもいますから、皆が全てとはいいません。しかし、いささか的を得ている、思い当たる節もあるのです。
起業も色々あるでしょうが、私が実際に体験した人材紹介業のお話をこれから、詳しくしてみたいと思います。自分で会社を始める為の準備、はじめてから何が起こるかの予想のご参考になれば幸いです。
次回をどうぞお楽しみに。
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