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エンターテインメント Anotherlife-もうひとつの生き方としての映画

#007:「もしもあの時この選択をしていたら、或いはしていなかったら?ひょっとして今とは違う人生はあっただろうか?あの時代に戻ってやり直せたなら検証することはできるが、人生は一度きり。だからこそ映画は”もうひとつの人生を見せてくれる”素晴らしいエンターテインメント。有限の人生を、その何倍にも増幅体験できる装置なのだ」

人生の中で震えるほどの怒りを感じたことはあるだろうか?
いじめ、飲酒による轢逃げ、言われ無き暴力による殺人、常にその影には被害を受けた家族や友人たちの声にならない声がある。表面的には与えられた民主主義的“平和”を謳歌する今日の社会も、それらの犠牲の上に成り立っていると考えるのは私だけだろうか。

では理不尽な暴力が国家的な規模で自身にのしかかってきたときに、人はどう行動するのか。本作はそれがテーマだ。

13世紀末、ウィリアム・ウォレスは家庭をもち、ただ静かに生きたいと願うだけの平凡な男であった。
残酷な王エドワード1世が率いるイングランドの侵略で家族を皆殺しにされたウィリアム・ウォレスは、故郷から遠く離れた異郷で成長し、懐かしい故郷に戻ってくる。幼なじみのミューロンは美しく成長し、再会した2人は恋に落ちる。そんな折、イングランドはスコットランドの貴族を支配するため、“初夜権"なる悪法を復活。それは領地内で結婚の決まった花嫁を略奪し、初夜の権利を貴族の男たちに与えるという非人間的なものだった。花嫁を奪われるのを恐れたウォレスは2人きりで結婚式を挙げるが、ミューロンは彼の目の前でイングランド兵に殺される。一度ならずも二度愛するものを失ったウォレスの怒りは深く、復讐を誓うウォレスは悪政に苦しむ人々と共に自由と解放を目指す抵抗軍を組織、彼のカリスマ性と指導力に魅かれ人々が続々と集まってきた。次々に戦いに勝利するウォレスであったが、やがて信頼していたスコットランドの貴族の父の姦計により、ウォレスは捕らえられ、反逆罪として裁かれることに・・・。
彼は群衆の前で、最後まで自由を求め続けながら極刑に処せられるが、その志はやがて大きなうねりとなって人々を変えていく。
そもそも私怨で始まったはずの戦いが、やがてはそこにとどまることなく、広く人々を巻き込んで、真の自由への戦いへと変貌していく。そこには信念の言葉があるからだ。
「我々の命は奪えても、我々の自由は奪えない」

近いテーマの作品としてやはりアカデミー賞を受賞した「グラディエイター」があるが、実話をベースに私怨に留まらないスケールを持つ本作は、その本質として異なると私は考える。

製作費2700万ドルを投じ、数千人のエキストラと200頭の馬が演じる戦闘場面は、リアルな臨場感に満ちて圧巻。監督・製作・主演の3役を兼ね、確かな演出力を見せたのは、自身2本目の監督作となるメル・ギブソン。撮影は「レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い」のジョン・トール、音楽は「アポロ13」のジェームズ・ホーナー、共演は静かな気品の中に熱い情熱を繊細に演じたソフィー・マルソー、「アルカトラズからの脱出」などに出演している名優パトリック・マクグーハン、「遙かなる大地へ」のブレンダン・グリーソンほか。第68回アカデミー賞で、作品、監督、撮影、音楽(ドラマ部門)、メイクアップ、音響効果の6部門を受賞。


関連情報

ブレイブハート作品名: ブレイブハート
1995年度アカデミー賞5部門受賞。感動が心の底から湧き上がる、メル・ギブソン製作・監督・主演のスペクタクル超大作。これまでの中世が舞台の映画のイメージを根底から覆す展開が魅力的。家族を皆殺しにされたウォレス。彼のカリスマ性と指導力に惹かれ集う人々。史実を基に実在した人物の軌跡を描く。


2007年01月26日発売(予定)
¥1,490(税込み)
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント


城戸誠(きどまこと)Makoto Kido

映画プロデューサー。

映画界とIT業界を股に架ける(?)迷プロデューサー。エンターテインメントを愛し、ライバルはジェリー・ブラッカイマーと言ってはばからない。いつかはハリウッドに負けない超大作アクション活劇を作るのが夢。


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