Anotherlife-もうひとつの生き方としての映画
人生において二者択一の選択を迫られる瞬間というものはある。
右か左か?上か下か?赤か青か?
優秀なビジネスマンとしてはProsConsを分析して..となるのかもしれないが、時間は待ってはくれない。ましてやそれが何百人、何千人の命に関わるとすればあなたはどうするのか?
豪華客船ブリタニック号は北大西洋へと乗り出して行った。ブリタニック号が北大西洋の真中にさしかかった頃、船主のサバレン運輸に電話がかかってきた。“ジャガーノート”と名のる謎の男は、ブリタニックに時限爆弾を仕掛けたこと、明日の夜明けには船は木ッ葉みじんになることを告げ、五十万ポンドを要求する。夜明けの八時十分まで残すところは二十二時間しかない。犯人の要求に対して政府、海軍、警察は、身代金を払わず、爆弾は爆薬処理班が処理する方針を打ちだし、ブリタニック号に妻子が乗っているマクレオド警視に捜査を命ずると同時に爆弾のオーソナリティ、ファロン中佐、その部下チャーリーをブリタニックに送り込んだ。残された時間は十数時間、ファロンは巧妙に仕掛けられた爆弾に手をやいていた。一方、マクレオドは爆弾設計のプロ四十六人を洗っていた。ブリタニック内では爆弾の置かれた機関室付近をブロックごとに封鎖しスピーカーをつけたファロンが一本のネジ、一本の線を切るごとに安全を見きわめながら他の班員がそれに従った。そんな慎重な作業にもかかわらず、ドラム缶を切断するとき爆発を招き二人が死亡した。千二百人の生命がファロンの判断に託されているのだ。数時間後、ファロンが一番信用していたチャーリーが爆発のために死亡した。薄氷を踏むような作業を行いながらファロンは、第二次大戦中、最も巧妙な地雷を作った一人の男のことを考えていた。その男は既に死んでいたが、その地雷を知っている者は唯一人、当時の上官バックランドだけだった。その頃、マクレオドもバックランドを犯人と断定、取調べ中だった。夜明けまであと二時間、ファロンはバックランドを対策本部のマイクの前に呼ぶことを要求した。赤と青の線のどちらかが時限爆弾につながり、それを切れば千二百人の生命は断たれるのだ。爆発まであと数分、ファロンの必死の説得に対しバックランドは青の線を切ることを命じた。ファロンの持つ鋏が揺れ動いた・・・。正しいのは赤なのか、青なのか?
本作の後、爆弾の線を切るシチュエーションというのは数々の映画やドラマの中で使われてきた。その全てが本作を基にしているといっても過言ではあるまい。そしてさらにそれを盛り上げているのが犯人が主人公の元上官という微妙な関係。この元上官との心理戦は秀逸である。
製作・脚本はリチャード・デコッカー、監督は「三銃士(1974)」のリチャード・レスター、撮影はジェリー・フィッシャー、音楽はケン・ソーンが担当。出演は「ハリーポッター」を最後にこの世を去った名優リチャード・ハリス、脇を固めるのはオマー・シャリフ、アンソニー・ホプキンス、シャーリー・ナイト、など。
仕事上のかつての上司との再開。その時分何があったかにせよ大抵笑って酒の一杯でも飲めば良き友人になれるのではないだろうか。
ただ本作に限ってはそうなれなかった男の悲劇の一譚である。
関連情報
ハリウッドを代表する映画スタジオ・MGMが生み出した傑作アクションタイトルを集めた『MGM傑作アクション・パック』からの1作品。脱出不可能な暴風雨の中、豪華客船ブリタニック号に仕掛けられた時を刻むメガトン級の時限爆弾を巡り、爆弾処理班と犯人との緊張の駆け引きが展開する。千二百人の命と共に揺れる豪華客船を救えるか!
監督:リチャード・レスター
出演:リチャード・ハリス、オマー・シャリフ、シャーリー・ナイト
*本作品は廃盤となっております。






