イベントレポート

小雨の降る中、2006年11月27日18:00より紙パルプ会館において第1回CEAFOMキャリアセミナーが開催されました。
講師に株式会社ビジネスコーチ代表取締役の小出義之氏を迎え、シニアがどのようにキャリア探しを進めて行くかについてのアドバイスをいただきました。また、ジャーナル小僧の「仕事をたのしむ」でおなじみの株式会社CEAFOM代表取締役、小僧com の役員でもある郡山史郎氏がセカンドライフのキャリアにおける具体的な手法を解説しました。
今回は21名が参加し、これからのキャリアに対して新たな思いが湧き上がったようなセミナーとなりました。その模様をお伝えいたします。
まずは、小出講師より、キャリア探しを進めていくアドバイスがありました。
有効求人倍率や完全失業率は改善の兆しが見られ、特に若者の就職状況は好転していると言われていますが、シニア世代の再就職の実態を見ると、マクロ的な数字が示す状況とは裏腹に、厳しい現実があります。こうした状況下において、どのようにキャリア探しを進めて行くかについてアドバイスをしていきます。

シニアのキャリア探しは3つの分類に集約されます。
(1) これまでのキャリアの延長となるキャリアを探す
(2) 新しい職種に挑戦する
(3) 独立起業する
まず上記分類の中で、自分は何をしたいかを選択し、見極めることが重要です。大きな方向性が決まったら、具体的なキャリア探しを行います。その際一番大切なポイントは、労を惜しまず就職活動を行うことです。自らをアピールするために、退職した後でも名刺を作って持っておくことでも良いのです。採用担当者は名刺があることによって連絡しやすくなります。その際、例えば自分のブログを作ったりしておけば、そのURLを記載することもさりげない自己アピールになります。インターネットの利用は重要なスキルの一つです。
次に、履歴書は書き慣れていても、職務経歴書を書き慣れていない人が多いと思います。また、これまで面接をすることに慣れていても、逆に面接されることに慣れていないという方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、職務経歴書は大切なアピールポイントであり、職務期間を間違えないよう丁寧に書くことを心がけることが大切です。面接では、シニアの方は時に謙虚になりすぎることがありますが、アピールするところはしっかりとすべきです。例えば自分の人脈なども大切なアピールポイントであることを忘れてはなりません。企業は人脈も評価するのです。
また、退職後のキャリア探しでは、退職後のブランクが長いと不利になることがあります。従って、もしキャリア探しを行うのであれば、退職後3ヶ月、半年以内に必ず決めるという意気込みが欲しいと思います。またそうした意気込みの強い人の方が、職業紹介会社としても紹介しやすいでしょう。
キャリア探しの大切なポイントは、自分に合ったたった一つのポジションを見つけることができれば良いのです。従って、求人情報の数やクライアント企業の数ではなく、いかにシニア層に関心があるか、力を入れているかという点で選択するべきでしょう。また、職業紹介会社との付き合いは、現役在職中であっても早いということはありません。
次に、ポジションと待遇についてですが、退職金をもらってお金について執着しなくても良いという人もいます。しかし、できるだけ年収や待遇は具体的に希望を明示したほうが職業紹介会社としても動きやすいでしょう。
まとめると、キャリア探しは早めに動き、とにかく労を惜しまないことが重要です。意気込みが強く、やりたいことが明確であるほど新しいキャリアを見つけやすいので、是非皆さんも実践して欲しいと思います。

次に、郡山講師からセカンドライフのキャリアに関する具体的な解説がありました。
CEAFOMという会社はできてまだ3年ですが、ビジネスマンのエージェンシーという分野では日本の草分けだと自負しております。私は、セカンドライフのキャリアに関して、下記の通り提言したいと思っています。
(キャリアセミナー資料より転記) 1. トータルライフプランとしての、キャリアの設計。前半戦と後半戦。 2. 人生に定年はない。60歳以降でも、一番するのは仕事。有償の仕事。 3. 前半戦は、世のため、人のため。後半戦は、世のため、自分のため。 4. 仕事を楽しむ。必要楽としての仕事。楽しくなければ仕事ではない。 5. どんな仕事があるか。自分の知識、経験が生きて、かつ新しい体験ができるもの。 6. 仕事探しを楽しむ。人生の新しい体験と他人の暮らしを覗くこと。 7. リセットが必要。「ではのかみ」にならないために。 ※「ではのかみ」:「前の会社では」ばかり言う人のこと 8. 自分を精神的、肉体的、社会的に改造する。過去より現在、現在より未来が大切。 9. 自立、自営はおすすめしません。ベンチャーは若い人にまかせて。 10.若い人と、コンビで働く。エネルギーをもらうために。 11.先は長いので、あせらない、あきらめない、そしておそれない。
日本人が、定年後最もやりたいことは何かといいますと、実は「仕事」なのです。私たちは、やりがいのある仕事をすることによって生きがいを持つことができるのです。会社に定年はあっても人生に定年はありません。定年退職したあとも自分に合った仕事を見つけることは素晴らしいことです。
私は今年で71歳ですが、今でも満員電車に揺られて通勤しています。満員電車に乗っていると中吊り広告、人々の振る舞いなど、いろいろな刺激と情報に溢れています。これもまた楽しみの一つなのです。
一方、仕事というものは、人生の前半戦では世のため、人のために働き、嫌なことでも一生懸命我慢するのですが、後半戦からの仕事は楽しむために働くべきです。逆に楽しくなければ仕事ではありません。そのためには、一度自分をリセットして、まっさらな気持ちで新しいことに取り組むという心構えが必要です。
前の仕事を引きずったままですと、「前の会社では」ばかりが口癖になり、「ではのかみ」として厄介者扱いされます。そうした方がいますと、雇った会社から私たちに文句が来てしまいます。過去にはこだわらず、現在、未来を見据えて取り組むことが大切です。
一方、仕事探しは色々な体験をすることができる場です。仕事探しをすることによって、普段では決して聞けないような会社の内情や雰囲気をつかむことができます。これは何よりも刺激になります。たとえ一流企業の元役員であっても、退職後の就職活動ではそのキャリアが何の役にも立たないこともあります。しかしながら、ほとんどの場合は能力よりも相性の問題ですから、苦にするほどのことではありません。
シニア世代のキャリア探しは大変という現実があると小出さんもおっしゃっていましたが、私たちは、クライアント企業から是非30代をというリクエストがあっても、私たちの60代の候補者の中に適材適所だと思う方がいれば、自信をもって60代の方を推薦します。そうしてクライアント企業から感謝されたことが何度もあります。このような気持ちで、是非仕事を楽しむ、また仕事探しを楽しんで欲しいと思います。
質疑応答
質疑応答の時間では、深く踏み込んだ内容の質問が出ました。まず自分がどうすべきなのか、という現在のポジションの確認をはじめ、具体的な職務経歴書の書き方、雇用形態のあり方など、各個人がどうすればよいかの指南となりました。
| 参加者: | 人材紹介会社同士の案件や候補者の融通はあるのか。 |
| 小出講師: | 実績としてはありますが、個人情報保護の観点で現実的には融通は難しいのが実態でしょう。 |
| 参加者: | 「ではのかみ」を免れたいのですが、職務経歴書は自分の過去の職歴を書くため、どうしても「ではのかみ」となってしまいます。 |
| 小出講師: | 職務経歴書はあくまでも事実の記載です。あまり書き過ぎない方が良い場合もありますが、事実はきちんと間違えないように書くべきです。 |
| 参加者: | シニア世代の仕事探しが難しいということなので、雇用形態(正社員、契約社員、アドバイザー、顧問など)で譲歩することも考えたいのですが。 |
| 郡山講師: | 私たちの現場において、雇用形態での譲歩や交渉は常々やっていますが、日本の会社では概してアドバイザー、顧問やコンサルタントというポジションでは欲しがらず、あくまでもラインマネージャーを求める傾向が強いようです。従って、雇用形態の譲歩が必ずしも成約に結びつく鍵となるものではありません。 |
| 参加者: | 新しいキャリアを見つけるといっても、どんなキャリアを見つければ良いのか中々見当がつかないというのが率直な感想ですが。 |
| 小出講師: | まず大まかな方向性を決めるべきでしょう。例えば旅に出るとして、寒い北に行くのと、暑い南に行くのとでは準備、装備が異なります。全く新しいことを行うのか、それともこれまでのキャリアの延長で行くのかと言った方向性くらいは決めておかれた方が良いと思います。 |
今回は、第1回目のキャリアセミナーということで、何人の方が参加されるのか計り知れない部分もありましたが、21名の参加者は講師の話に頷いたり、メモを取ったりと、セカンドキャリアを再考する契機となったように感じました。
小僧comでは、小僧世代が新たなキャリアを見つけ、よりアクティブに過ごせるよう、今後もキャリアセミナーを継続して開催・サポートしていく予定です。







