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グルメ アンチエイジングクッキング

第1回 アンチエイジング食材の選び方から。文・白澤卓二/料理製作・多田鐸介 医学博士・白澤卓二先生が、アンチエイジングの視点から求められる食生活を分かりやすく解説するシリーズです。毎回「ユリス麻布十番」総料理長・多田鐸介さんによる、アンチエイジングレシピもご紹介します。

平成18年1月5日未明に101歳の天寿を全うされるまで、生涯現役のスキーヤーとして活躍していた三浦敬三さんを支えていたのは、自ら編み出した自己トレーニング法と自己栄養管理でした。三浦敬三さんは一人暮らし、自炊をし、おそらく自らの健康を作るために自ら食材を調査し自らのアンチエイジングメニューを創作していたのです。
生き甲斐のある人生を全うするためには、生活の質を下げる糖尿病、高血圧などの生活習慣病、あるいは高齢期に発症が増えるガン、また介護の原因となる骨粗鬆症や関節疾患、認知症などの病気を予防し、いわゆる健康寿命を延伸することが肝心です。これらの病気の発症には10〜20年もの無症候期があり、発症前の食生活や生活習慣が病気の発症に大きく関わっていることが明らかとされています。
従って、高齢期に発症する病気の予防には、中年期の食生活が極めて重要と考えることができます。十分な栄養素を日々の生活の中で確保し、カロリーの取り過ぎを予防し、抗酸化食材や植物化学物質を十分に食材に使うことで、生活習慣病、ガンの発症を予防する時代がやってきます。小僧comの皆さまにも、この連載で食材・料理の基礎理論に触れ、ご自身の食事内容をアンチエイジング効果の観点から見直し、アンチエイジングライフを実践するきっかけにしていただければ幸いです。

●疾患予防のためのアンチエイジング食材

アンチエイジング食材として、最初に注目すべきが野菜、果物の中に含まれている植物化学物質(フィトケミカル)です。一般に我々が、毎日、食べている野菜の中に、数千種類以上の植物化学物質(フィトケミカル)が存在していると考えられています。これらの化学物質は抗酸化作用(サビを防止する作用)が認められるだけでなく、ガン細胞の増殖を抑制する作用である抗腫瘍作用も認められます。例えば、ブロッコリーの中には約200種類もの植物化学物質(フィトケミカル)が含まれていることが明らかとなっています。最近、赤ワインで注目されているポリフェノール類の物質も本来、赤ブドウの中に含まれている植物化学物質(フィトケミカル)と考えられます。緑茶の中に含まれるカテキンやカレー粉の中に含まれるクルクミン、キノコに含まれるβグルカン、緑黄色野菜に含まれるβカロチンなどすべて植物化合物質(フィトケミカル)です。野菜をベースにして、なるべくたくさんの種類の野菜や果物を食材として使うことが、アンチエイジングメニューの組み立ての基礎となります。
それでは、動物の肉の中には抗酸化物質がないかというと、そうではありません。魚や家畜の肉の中にも強力な抗酸化物質はが含まれています。例えば、サーモンの中に含まれている微量成分の中にはビタミンB2、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンB12,ビタミンDなどの体に必要なビタミン類に加えて、アスタキサンチンという抗酸化物質が含まれています。アスタキサンチンはトマトに含まれているリコピンに構造が類似していますが、リコピンよりも強力な抗酸化作用が認められ、脳に移行することが知られています。このために、認知症などの高齢期に発症しくる病気の予防に適した食材と考えられています。また、サーモンの中にはEPAといった、動脈硬化を予防するタイプの脂肪も含まれている事から、上手く料理に使えば、様々な疾患を予防する食事を組み立てることが可能になります。このように食材の基礎知識を持っていると、自らの健康増進する食事を組み立てる事が可能になります。アンチエイジングライフを実践するにはまずアンチエイジング食材の選択から始めて見ましょう。

アンチエイジングレシピ

サーモンの照り焼き レモン風味161kcal

サーモン、ロブスター、エビの赤色系色素の本体は赤い栄養素「アスタキサンチン」です。アスタキサンチンはビタミンEよりも高い抗酸化力があります。脳や目に作用するので認知症や目の疲れが気になる人へおすすめのアンチエイジング食材です。サーモンのナチュラルな味と香りをシンプルな照り焼きでお楽しみください。ビタミンCたっぷりのレモンの香りをプレートに添えました。

[作り方]

@B(本みりん、濃い口しょうゆ)を混ぜ鍋で沸かす。
A1の熱いうちにC(レモン)を入れ、そのままゆっくり冷ます。
BA(サーモン)を2に1時間以上漬け込む。
C3をオーブントースターで5分位、こんがりと焼き、レモン(分量外)などを添えて皿に盛る。

[ワンポイント・メモ]

・2は急激に冷ますとレモンの味を引き出せないので、ふたかラップをし、ゆっくり冷ますこと。
・サーモンに塩、砂糖をふるのは、2の味をしみ込みやすくするため。

[アンチエイジング・ポイント]

サーモン、レモン

[材料(2人前)]

A サーモン 2切れ(1切れ約140g)(軽く塩と砂糖をふり、10分おく)
B 本みりん、濃い口しょうゆ 各50cc
C レモンを刻んだもの 1/2個

 

関連情報

アンチエイジング・クッキング 「アンチエイジング・クッキング」(講談社)
白澤卓二 監修・執筆、多田鐸介 料理製作/講談社 税込1,680円
●出版社 / 著者からの内容紹介
美しくなる食事、若返る食事
本書では老化を引き起こす真犯人、活性酸素を減らす抗酸化食材を取り入れたアンチエイジングメニューを紹介。あわせて、アンチエイジングの食生活法を提言。
●内容(「BOOK」データベースより)
アンチエイジングの視点から、求められる食生活を提言。抗酸化物質を多く含む食材が老化予防のキーポイント。掲載料理には、それぞれのアンチエイジングの効能と作り方を掲載。

白澤卓二

白澤卓二(しらさわ たくじ)Takuji Shirasawa

千葉大学大学院医学研究科博士課程卒。
順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座 教授
株式会社アンチエイジングサイエンス取締役CSO
日本抗加齢医学会理事 日本基礎老化学会幹事
寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリート遺伝子の研究を専門とし、日本抗加齢学会理事を務めるなど、アンチエイジングの第一人者の一人。主な著書に「老化時計」「長寿と遺伝子」がある。



多田鐸介

多田鐸介(ただ たくすけ) Takusuke Tada

「ユリス麻布十番」代表取締役総料理長
ル・コルドン・ブルー・パリで学び、パリのミシュラン星付きのレストランで料理に携わる。ル・コルドン・ブルー・パリ東京校開校とともに帰国し、講師に就任。その後大手ホテル・レストランを経て、ドイツの厨房機器メーカー「ラショナル社」のフードアドバイザーに就任。病院食・介護食に深く携わる。2002年ユリス麻布十番開店。著書に「三浦家の元気な食卓」がある。

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