アンチエイジングクッキング
●動脈硬化を予防する
動脈は心臓から体全体に血液を輸送しているパイプの役割を果たしています。若い頃にはこのパイプも弾力性がありますが、中高年になると弾力性が失われて、次第に硬くなって行きます。これが動脈硬化です。この硬くなった血管を顕微鏡で観察すると、血管内膜にコレステロール等の脂質成分がたまって、マクロファージという炎症細胞が浸潤してきます。
最近では単純に血液中のコレステロールが高いだけではなく、コレステロールの酸化や血管壁の炎症が重要な発症因子であることが分かりました。もちろん高血圧も重要なリスクファクターの1つで、血圧のコントロールは重要です。初期には自覚症状はありませんが、進行すると物忘れ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れなどの症状が出現します。最終的には、脳や心臓、腎臓などの血管が密な臓器での動脈硬化、つまり脳卒中や心筋梗塞、腎機能低下などの臨床症状が多彩に出現してきます。
動脈硬化を引き起こす危険因子の中で最も重要なのが、高血圧、高脂血症、喫煙です。高血圧は塩分の取り過ぎで発症するので、減塩が必要です。高脂血症で重要なのがコレステロールですが、コレステロールには、「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールと「善玉」と呼ばれるHDLコレステロールがあります。LDLは酸化されやすく、酸化されるとマクロファージに取り込まれて、動脈硬化病変に蓄積します。コレステロールはレバーや魚の卵に豊富に含まれているので、コレステロールの高い人はこれらの食品を控えることが重要です。
あまり知られていませんが、高齢期になると、コレステロールは高めの高齢者の方が介護の予後が良好であるというデータが老人総合研究所の調査研究でわかりました。これは高齢期では、高コレステロール血症の心血管リスクよりも低コレステロールによる要介護リスクのほうがリスク要因として大きくなるためだと考えられています。
食物繊維は血中コレステロールを下げる作用があるので、食物繊維豊富な野菜、果物、豆、海藻を積極的取るようにして下さい。また、アジ、イワシ、サバ、サンマなどの青背の魚にふくまれているDHAやEPAは血液をサラサラにし血栓を予防する効果があります。運動は中性脂肪を下げ、HDLの値を上昇させる効果があります。喫煙はニコチン、一酸化窒素、窒素化合物が血管内皮を傷つけ、中性脂肪、LDLを増やすので、禁煙も重要な予防因子になります。
〜連載の終りに これからのアンチエイジングライフ〜
これからのアンチエイジングライフは、アンチエイジングダイエット(食事)、アンチエイジングフィットネス(運動)、アンチエイジングメンタルケア(リラクセーション)が3本の大きな柱になると思います。食事のケアだけでは不十分で、運動やメンタルケアをアンチエイジングの科学的エビデンスを根拠に生活習慣そのものを指導していかないと本当のサクセスフルエイジングはできないと考えています。まずは『アンチエイジングクッキング』を読んで、食生活からアンチエイジングライフをスタートしてください。これからはサクセスフルエイジングを目指しているすべての人にアンチエイジングライフを科学的なアプローチでトータルにサポートできるように研究やビジネスを展開して行きたいと考えています。この本がそのようなアンチエイジングライフへの入り口になってくれれば筆者の願うところです。
■ エスニック風かつおのたたき 257kcal
かつおに含まれるDHA,EPAは血液さらさら、生活習慣病の予防効果があります。かつおのたたきをマドラスのカレーペーストでエスニック風に仕上げました。マドラスのカレースパイスに含まれるクルクミン成分に生活習慣病予防、認知症予防のアンチエイジング効果があります。動脈硬化が気になりだした年代の人におすすめのアンチエイジングメニューです。
[作り方]
@A(かつお)の表面にB(エクストラバージンオリーブオイル、自然塩)をぬり、1時間位おく。
AC(マドラスカレーペースト)とD(トマト)を混ぜ合わせ、塩を加え、味を調える。
B1を1cmにスライスする。
C3を皿に盛り2をかける。
ワンポイント・メモ
かつおにエクストラバージンオリーブオイルと自然塩をぬってから、1時間おくのは、やわらかくするため
[アンチエイジング・ポイント]
かつお、オリーブオイル、マドラスカレーペースト
[材料(2人前)]
| A かつお | さく(100g)(表面をあぶり、たたき状にする) |
| B エクストラバージンオリーブオイル | 20cc |
| 自然塩 | 15g |
| C マドラスカレーペースト | 40cc |
| D チェリートマト(刻んだもの) | 40g |









