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グルメ アンチエイジングクッキング

【第六回】動脈硬化を予防する 文・白澤卓二/料理製作・多田鐸介 医学博士・白澤卓二先生が、アンチエイジングの視点から求められる食生活を分かりやすく解説するシリーズです。毎回「ユリス麻布十番」総料理長・多田鐸介さんによる、アンチエイジングレシピもご紹介します。

●動脈硬化を予防する

動脈は心臓から体全体に血液を輸送しているパイプの役割を果たしています。若い頃にはこのパイプも弾力性がありますが、中高年になると弾力性が失われて、次第に硬くなって行きます。これが動脈硬化です。この硬くなった血管を顕微鏡で観察すると、血管内膜にコレステロール等の脂質成分がたまって、マクロファージという炎症細胞が浸潤してきます。
最近では単純に血液中のコレステロールが高いだけではなく、コレステロールの酸化や血管壁の炎症が重要な発症因子であることが分かりました。もちろん高血圧も重要なリスクファクターの1つで、血圧のコントロールは重要です。初期には自覚症状はありませんが、進行すると物忘れ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れなどの症状が出現します。最終的には、脳や心臓、腎臓などの血管が密な臓器での動脈硬化、つまり脳卒中や心筋梗塞、腎機能低下などの臨床症状が多彩に出現してきます。

動脈硬化を引き起こす危険因子の中で最も重要なのが、高血圧、高脂血症、喫煙です。高血圧は塩分の取り過ぎで発症するので、減塩が必要です。高脂血症で重要なのがコレステロールですが、コレステロールには、「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールと「善玉」と呼ばれるHDLコレステロールがあります。LDLは酸化されやすく、酸化されるとマクロファージに取り込まれて、動脈硬化病変に蓄積します。コレステロールはレバーや魚の卵に豊富に含まれているので、コレステロールの高い人はこれらの食品を控えることが重要です。

あまり知られていませんが、高齢期になると、コレステロールは高めの高齢者の方が介護の予後が良好であるというデータが老人総合研究所の調査研究でわかりました。これは高齢期では、高コレステロール血症の心血管リスクよりも低コレステロールによる要介護リスクのほうがリスク要因として大きくなるためだと考えられています。

食物繊維は血中コレステロールを下げる作用があるので、食物繊維豊富な野菜、果物、豆、海藻を積極的取るようにして下さい。また、アジ、イワシ、サバ、サンマなどの青背の魚にふくまれているDHAやEPAは血液をサラサラにし血栓を予防する効果があります。運動は中性脂肪を下げ、HDLの値を上昇させる効果があります。喫煙はニコチン、一酸化窒素、窒素化合物が血管内皮を傷つけ、中性脂肪、LDLを増やすので、禁煙も重要な予防因子になります。


〜連載の終りに これからのアンチエイジングライフ〜

これからのアンチエイジングライフは、アンチエイジングダイエット(食事)、アンチエイジングフィットネス(運動)、アンチエイジングメンタルケア(リラクセーション)が3本の大きな柱になると思います。食事のケアだけでは不十分で、運動やメンタルケアをアンチエイジングの科学的エビデンスを根拠に生活習慣そのものを指導していかないと本当のサクセスフルエイジングはできないと考えています。まずは『アンチエイジングクッキング』を読んで、食生活からアンチエイジングライフをスタートしてください。これからはサクセスフルエイジングを目指しているすべての人にアンチエイジングライフを科学的なアプローチでトータルにサポートできるように研究やビジネスを展開して行きたいと考えています。この本がそのようなアンチエイジングライフへの入り口になってくれれば筆者の願うところです。


アンチエイジングレシピ

■ エスニック風かつおのたたき 257kcal

かつおに含まれるDHA,EPAは血液さらさら、生活習慣病の予防効果があります。かつおのたたきをマドラスのカレーペーストでエスニック風に仕上げました。マドラスのカレースパイスに含まれるクルクミン成分に生活習慣病予防、認知症予防のアンチエイジング効果があります。動脈硬化が気になりだした年代の人におすすめのアンチエイジングメニューです。

[作り方]

@A(かつお)の表面にB(エクストラバージンオリーブオイル、自然塩)をぬり、1時間位おく。
AC(マドラスカレーペースト)とD(トマト)を混ぜ合わせ、塩を加え、味を調える。
B1を1cmにスライスする。
C3を皿に盛り2をかける。

ワンポイント・メモ

かつおにエクストラバージンオリーブオイルと自然塩をぬってから、1時間おくのは、やわらかくするため

[アンチエイジング・ポイント]

かつお、オリーブオイル、マドラスカレーペースト

[材料(2人前)]

A かつお さく(100g)(表面をあぶり、たたき状にする)
B エクストラバージンオリーブオイル  20cc
自然塩 15g
C マドラスカレーペースト 40cc
D チェリートマト(刻んだもの) 40g
   
  

 

関連情報

アンチエイジング・クッキング 「アンチエイジング・クッキング」(講談社)
白澤卓二 監修・執筆、多田鐸介 料理製作/講談社 税込1,680円
●出版社 / 著者からの内容紹介
美しくなる食事、若返る食事
本書では老化を引き起こす真犯人、活性酸素を減らす抗酸化食材を取り入れたアンチエイジングメニューを紹介。あわせて、アンチエイジングの食生活法を提言。
●内容(「BOOK」データベースより)
アンチエイジングの視点から、求められる食生活を提言。抗酸化物質を多く含む食材が老化予防のキーポイント。掲載料理には、それぞれのアンチエイジングの効能と作り方を掲載。

白澤卓二

白澤卓二(しらさわ たくじ)Takuji Shirasawa

千葉大学大学院医学研究科博士課程卒。
順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座 教授
株式会社アンチエイジングサイエンス取締役CSO
日本抗加齢医学会理事 日本基礎老化学会幹事
寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリート遺伝子の研究を専門とし、日本抗加齢学会理事を務めるなど、アンチエイジングの第一人者の一人。主な著書に「老化時計」「長寿と遺伝子」がある。



多田鐸介

多田鐸介(ただ たくすけ) Takusuke Tada

「ユリス麻布十番」代表取締役総料理長
ル・コルドン・ブルー・パリで学び、パリのミシュラン星付きのレストランで料理に携わる。ル・コルドン・ブルー・パリ東京校開校とともに帰国し、講師に就任。その後大手ホテル・レストランを経て、ドイツの厨房機器メーカー「ラショナル社」のフードアドバイザーに就任。病院食・介護食に深く携わる。2002年ユリス麻布十番開店。著書に「三浦家の元気な食卓」がある。

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