「“話のタネ”に食べてみた!史上最強 セレブのお取り寄せ」
「梨」で「ナシゴレン」を作ることにした。
おやじギャグだと失笑を買うことは覚悟の上だ。ナシゴレンとはご存じ、インドネシア版のチャーハンである。20年ちょっと前、バリ島の食堂ではじめてナシゴレンと遭遇したのだが、てっきり梨を使ったデザートだと思いこみ、食後に頼んでしまって、後悔しきり。あれから幾歳月、今ではファミレスのメニューにもあるくらいだからあえて説明の必要もないかもしれないが念のため、「ナシ」は"ごはん"で、「ゴレン」は"炒める"。で、梨を使ってナシゴレンを作れば、これがホントの梨ゴレンなのだ。ふふふ。
いやいや、ただの悪ふざけのつもりはないですよ。
たとえば韓国では料理に梨がよく登場する。ユッケに梨の絞り汁やみじん切りを和えたり、せん切りにして添えたりする。すりおろした果汁は焼肉のタレ、プルゴギソースによく使われる。梨入りキムチもフルーティな旨味を醸し出して美味。ということで、梨でナシゴレンを作るのは、まんざらナシではなく、絶対アリなのだ。ちなみに梨はその昔、"なし"になって縁起が悪いということで、”あり"と言い換えられていた時代もあるという。今でも梨をもらって食べきれずに年越しをしてしまうと元の木阿弥、"なし"になって縁起が悪いということで、梨はお歳暮用には売れないらしい。そう、だから絶対、アリなのだ!
さあ、これにて理論武装は完璧だ。いやいや、それにしても、でっかいでっかい!
高知県針木(はりぎ)産、梨の王様「新高梨(にいたかなし)」1個6,000円。日本から台湾のリッチなセレブ向けに輸出もされていて、韓国でも人気の品種だ。さっそく重さを量ろうとキッチンスケールにのせてみたら、針が振り切れて計測不能。そこでこんどは王様を洗面所へとおつれして体重計にのっていただいたところ、な、な、なんと1.4Kgもある。直径は15cm、高さ14.5cm。比較のため、ふつうの梨を量ってみると重さは350g。となると新高梨1個は、ふつうの梨4個分に相当する。
さて、ナシゴレンを作る前に、まずはストレートに梨の王様をいただいてみる。
どうせ大きいだけだろう、甘みもスカスカに違いない、なんて思ったらこれが大まちがい。考えが甘かった…、いや、文字通り新高梨はしっかり甘かった。聞けば梨は柑橘類やメロンなどと違って、大きければ大きいほど甘くなるらしい。果実を大きくするため、ふつうの梨は果樹一本から100個前後採れるところを、新高梨は最終的に20個にまで絞って大きくしている。そのため糖度は上等なメロンと互角の勝負ができる14〜15度にまで達する。口に含むと、さくさくシャリシャリッとした独特の食感で果汁たっぷり。おまけに、じゅわっとしみ出すジューシーな果汁は芳醇な高級ブランデーを彷彿とさせる。なるほど、梨の王様とはそういうことか。大人の味だ。
参考までに、新高梨という名前の由来だが、新潟産・天の川梨と高知産・今村秋梨とをかけあわせて、それぞれの県の頭文字を取って「新高梨」。食味良し、香り良し、果汁はあふれんばかりといいことずくめだが、美味しい実がなる適地が少なく、大正4年の誕生から昭和50年代までは高知県限定生産で、1個10,000円もしていた時代があるという。最近でこそ各地で栽培されるようになったが、それでもやはり土壌も気候もいちばん適していている針木産がトップブランドとして君臨、贈答品としても活用されている。それもそのはず、"土佐のいごっそう"で知られる高知の農家は、全国的にも珍しく農協にたよらず一軒一軒が自主独立、一子相伝で新高梨の栽培技術を継承し、自家ブランドを確立してライバルと切磋琢磨している。そりゃ図抜けているのも当然だ。
さて、いよいよお待ちかねの梨ゴレンである。結論だけ言おう。
意外や意外、ひょうたんから駒、思いのほかこれが、旨いっ。梨を米粒大にみじん切りにして、ごはんや具と一緒に炒めたのだが、やわらかなごはんとシャリシャリの梨が不思議な新食感をもたらしてくれる。香りもいい。それが証拠に、当初、梨でナシゴレンを作ろうと提案したら、何言っちゃってるのこの人、という冷ややかな目で見ていた妻が、次の日もまた、朝食に梨ゴレンを作っていた。
どうだどうだ!食卓にわが家のとっておきが加わった。
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新高梨1個は、ふつうの梨4個分 |
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梨ゴレン |
<ベジタブル梨ゴレン> *妻がベジタリアンなもので… |
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[材料 2人分] |
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| 新高梨 | 1/10カット 約140g (ふつうの梨の場合、1/3個) |
| 玉ねぎ | 小 1/2 |
| しいたけ | 2枚 |
| しょうが | ひとかけ |
| 塩 | 少々 (わが家では瀬戸内産「海人の藻塩」を使用) |
| こしょう | 少々 |
| しょう油 | 大さじ2 |
| ごはん | 2杯分 |
| 全卵 | 2個 |
[作り方]
1. ありあわせの野菜を、さくさくっと、みじん切りにする(お好みでお肉もどうぞ)
2. 梨も、米粒くらいの大きさに、しゃきしゃきっと、みじん切りにする
3. フライパンで、みじん切りにした梨以外の野菜を、ちゃちゃっと炒める
4. 塩、こしょうで、ささっと味つけをする
5. しんなりしたら、梨のみじん切りを加えて、パラパラッと炒める
6. そこへごはんを加えて、しょう油で、さっと味つけしたら出来上がり
7. お好みで半熟の目玉焼きをのせて、さあ、「梨ゴレン」を召し上がれ!
協力:世界バリバリ☆バリューの本「史上最強!セレブのお取り寄せ」
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関連情報
フルーツショップオザキ 「新高梨」1個 6,000円(税込、送料別)
例年出荷は9月中旬〜11月下旬。毎年価格は変動するが、今年は1個6,000円×希望の個数となる。新高梨のあとは、高知が誇るもう一つの大型果実「土佐文旦」が旬を迎える。南国の光のシャワーをたっぷり浴びてとても甘く、贈答用に好評。
TEL 088-882-0511









