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グルメ 「“話のタネ”に食べてみた!史上最強 セレブのお取り寄せ」

第16回 幻のオリーブオイル「アウボカーサ」 1本 六千三百円  文・わぐりたかし 人気のセレブ番組「世界バリバリ☆バリュー」の放送作家わぐりたかしさんが、番組で紹介した“話のタネ”になる超高級グルメ&食材を毎週1つ、プライベートでお取り寄せ。日々の暮らしを楽しむわぐりさんならではの、よくあるグルメ情報とはひと味もふた味も違う、美味しい生活を綴った食エッセイです。

大変だ大変だ!
ファン垂涎、幻のオリーブオイルが地中海の宝石スペイン・マジョルカ島から、はるばる海を越えて半蔵門のわが家へやってきた。そもそもの事の発端は……

「ダウロを手に入れたんですよ」
グルメ界のドンといわれるあの神田さんが、嬉しそうにそう言った。
「ジュースのようなオリーブオイル、衝撃でした」
神田さんといっても、神田うのでも神田正輝でも神田山陽でもないし、もちろん神田利則でもなければ神田昌典でもない。年間300日はレストランに出没し、自分の舌で納得した店しか雑誌に掲載しないという伝説を持つ神田久幸『dancyu』元編集長である。「絶品」「究極」といった言葉の安売りは絶対しない、味にうるさいグルメな編集長が「衝撃でした」とまで言うのはそうそうあることではない。その発言自体が衝撃の事件ですらある。

さてその衝撃のダウロとは?
箱買いしたというボトルをお願いして分けていただくことに。ほどなくして、わが家へ届いたのは『ダウロ・アンポルダ』と『アウボカーサ(旧名ダウロ・アウボカーサ)』の2本。どちらもスペイン最古のワイン産地リオハの新星ワイナリー、ロダのオリーブオイルで、食通たちのあいだで通称「ダウロ」と呼ばれている。ロダは1992年のデビュー以来、数々の世界的ワインコンテストを総なめにし、今や「21世紀のリオハを代表するボデガ(ワイナリー)」とまで評されている。化学肥料や除草剤の散布などは一切行わず、葡萄の房のまわりの葉を丁寧に取り除くことで日当たりや風通しを良くして、健康的に熟した房のみを摘み取ってワインにする。出来の悪い年は「ロダ」ブランドでは出荷しない潔さでも知られている。そのロダが、次はオリーブオイルでも世界一をめざそうと決め、専業メーカーではとても考えられないような手間ひまをかけて、ついに伝説的なオリーブオイルを生み出してしまった。それがダウロだ。

まず、カタルーニャ産の『ダウロ・アンポルダ』は、世界でもっとも予約がとれない三つ星レストラン「エル・ブジ」の天才シェフ、フェラン・アドリアが絶賛しているのをはじめ、各国の一流シェフ御用達だ。毎年12月に開催されるノーベル賞授賞式の晩餐会でも、2003年から3年連続で公式オリーブオイルとして採用されている。実はノーベル賞の晩餐会で使われるワインとオリーブオイルは、各賞と同じように厳正なるコンペティションで選ばれていて、そこで採用されることは作り手にとってノーベル賞級の名誉だという。

さあそしてこの栄えあるアンポルダも並大抵のオリーブオイルではない名品だが、もう一本のダウロ、マジョルカ産の『アウボカーサ』こそが、"幻のオリーブオイル"だ。こちらも2001年、ノーベル賞の晩餐会で採用されている。年間限定生産2万本。日本への割り当てはわずか1000本にすぎず、おまけに好事家たちがひそかにまとめ買いをしてしまうので市場に出回ることはほとんどない。

アウボカーサは、おだやかな光があふれ、ゆったりとした時間が流れるマジョルカ島アウボカーサ村の丘で育つオリーブの最高品種アルベキーナ100%を搾って作る。ロダのワイン同様、化学肥料をまったく使用せずに栽培した最上級のオリーブの中から、さらに本当に良い果実だけを一粒一粒、選んで手摘みしている。オリーブの木は同じ1本の木でも実の熟し方がばらばらで、全部が熟し切ってから収穫するのが一般的だが、そうするともったりしすぎるという理由から、ダウロは果実がまだほとんど青く、適度に熟した実がまじり始めた絶妙なタイミングを見計らって収穫する。それも、きょうはこの木、明日はあの木といった具合に1本ずつ様子を見ながらというのだから、相当手が込んでいる。実をしぼるときには、苦みや渋みを出さないよう強い圧力をかけず、香りや風味を損なわないように加熱処理も、濾過もしない。お得意のワイン造りと同じ手法だ。原料となるオリーブの実に余計なストレスをかけないので、通常4キロの実から約1000mlをしぼるところを、同じ量の実から半分の500mlしか採れない。また、収穫したその日のうちにすぐにしぼって瓶詰めするためオリーブがまったく酸化せず、地中海の太陽の恵みいっぱいに育った果実の新鮮な風味が、そのままフレッシュなオイルに閉じこめられる。合成保存料や酸化防止剤など一切使っていないのは言うまでもない。

ではと、宝石のような『アウボカーサ』をカクテルグラスに注いで、しばしうっとり眺めてから、試しにそっと口に含んで、ワインのテイスティングのように気取って舌の上で転がしてみる。すると、むむむ、なんだろう…オイルなのにオイリーじゃない。でもなめらかで、やわらかい舌ざわりだ。しぼりたてのオリーブの実の香りが鼻腔にふくらみながら、フレッシュな液体がとろとろスススッとノド元を通過していく。清冽ですらある。そのままパンにつけてもよし、サラダやパスタによし、焼き魚にひと垂らししても絶妙だというが、そーかそーか、上等なオリーブオイルは、一口にオイルとはいうけれど、そもそもオリーブの実の100%しぼりたてフレッシュジュースだったのだと、改めて気がつかされる。なるほどドン神田の言うとおり、幻のオリーブオイル『アウボカーサ』は、衝撃でした。

ところで大きな問題が一つ。
もう、ふつうのオリーブオイルに戻れないかも…。


太陽の光をたっぷり浴びて育ったオリーブの果実!

太陽の光をたっぷり浴びて育ったオリーブの果実!

マジョルカ島 アウボカーサ村

マジョルカ島 アウボカーサ村

人気エッセイスト'お手伝いハルコ'ことアートディレクター 後藤晴彦氏考案のオリーブオイル専用ディッシュで温野菜をアウボカーサにつけていただくの図

人気エッセイスト'お手伝いハルコ'ことアートディレクター 後藤晴彦氏考案のオリーブオイル専用ディッシュで温野菜をアウボカーサにつけていただくの図



協力:世界バリバリ☆バリューの本「史上最強!セレブのお取り寄せ」
  (アスコム刊 大好評発売中)


関連情報

アウボカーサ/ダウロ・アンポルダ ◆幻のオリーブオイル『アウボカーサ』
アウボカーサ 6,300円
ダウロ・アンポルダ 4,200円
(いずれも税・送料込、代引価格)
問い合わせ:ダウロ輸入総代理店(有)金井事務所
〒461-0011 名古屋市東区白壁4-86-3 グランドメゾン白壁201
TEL:052(933)6585 FAX:052(933)6788

ボデガ「ロダ」のワイン◆21世紀のリオハを代表するボデガ「ロダ」のワインについてはこのページが詳しい。(英文)
◆グルメ界のドン!神田久幸氏(プレジデント社)ブログ『美味との遭遇』
『プレジデント』『dancyu』編集長を経て、2006年12月、50代からの人生満開マガジン『プレジデント50+(フィフティプラス)』を創刊!

タスト・オーリオ ドリーヴァ◆世界初!オリーブオイルの専用器 タスト・オーリオ ドリーヴァ(taste-olio d’oliva)
大(オリーブオイル容量40ml 長辺170mm×短辺140mm)2,415円(税込)
小(オリーブオイル容量25ml 長辺150mm×短辺125mm)1,890円(税込)
問い合わせ先:(株)オフィスハル オリーブオイル器係
TEL:03(3409)4895 FAX:03(3797)3598
e-mail:info@officehal.co.jp
雑誌『日経おとなのOFF』で「お手伝いハルコの料理再入門」連載中の人気エッセイストにしてアートディレクターの後藤晴彦氏は、ダウロ好きが高じてオリーブオイル専用ディッシュをデザインして作ってしまった。監修は「分とく山」の野崎洋光、製造は有田・福泉窯。フランスワインをテイスティングする器具「タスト・ヴァン」をイメージして作ったという。真ん中の突起部分があることで、器の白と対比してオリーブオイルの色をしっかり見極めることができ、また、パンをつけるときにオイルを切りやすい。上部の縁にあるくぼみは塩を盛るのに丁度よくできている。レストランの営業用や結婚式の引き出物など個数がまとまると、店名やロゴなど、有田の高度な染め付け技術を使った名入れサービスもしてくれる。わが家の愛用品でもある。
わぐりたかし

わぐりたかし Takashi Waguri

放送作家。
超ゴージャスなセレブ番組「世界バリバリ☆バリュー」(TBS)から、その対極にあるスローライフな雑誌「ソトコト」のTV版「ハッピー!ロハス」(BS朝日)まで幅広い番組を担当。今話題の"美食の王様"来栖けい、築地王B級グルメ王ヤキニクエスト東京カリ〜番長をはじめ、グルメ雑誌編集長や人気フードライターなど飲食業界で活躍する知己に恵まれ、超A級三つ星クラスから庶民派B級グルメまで美味しいモノの情報には事欠かない。汐留名物「汐留らーめん」の発案者であり、「日本フードジャーナリスト会議」を主宰。「野ブタ。をプロデュース」「愛の流刑地」などのドラマ企画も手がけ、出版プロデューサーとしても活躍中。


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