「“話のタネ”に食べてみた!史上最強 セレブのお取り寄せ」

霜降りの王様、大田原牛は巨峰の味がした。
あの夜子ママが経営する麻布十番の高級会員制クラブ「オアシス」と同じビルに、一人前10万円の大田原牛ステーキを出すレストランが鳴り物入りでオープンしたのは2005年6月のこと。"肉の芸術品"とも"食べるダイヤモンド"ともいわれる幻の大田原牛を生産している牧場の直営だと聞いて、さっそく怖いモノ見たさでのぞいてみた。そのときの話です。
オーダーしたのは、10万円のロースステーキと10万円の最高級フィレステーキ、シャトーブリアン。さらに、ステーキを成型する際に切り落とす上等な肉で作るという3000円の大田原牛100%ハンバーグだ。ステーキの焼き上がりを待つあいだ、生でも食べられますよというので、それではと牛刺しをいただいてみた。どれどれふむふむ、ほー、なるほど実にみごとなサシが入っているもんだ、と子細に観察したのちに口に放り込む。するとどうだろう。一瞬のうちに舌の上でしゅわしゅわッと溶け出し、あっというまに牛肉のエキスとなって喉元をさらさらと流れていくではないか。それは霜降り肉の脂であるはずなのにけっしてベタベタとくどいわけでもなく、それどころかスッキリとしたフレッシュジュースのようでさえあり、驚いたことに完熟巨峰の味がした。生まれて初めての体験だった。ところでこの衝撃体験のあと、10万円ステーキ2種と作りたてのはんぺんのようにふわふわとした不思議な食感のハンバーグを完食し、それでもまだ残る完熟巨峰の衝撃に陶然としながら店を出たのだが、そこでちょっとした事件に遭遇した。さて、その事件のあらましを語る前に、幻の大田原牛そのものについての解説を少々。
大田原牛は、みんな誤解しているが、ただのブランド牛ではない。
10万円ステーキのレストラン「大田原牛超 麻布十番本店」のオーナーであり、大田原牛の本家本元である栃木県大田原市「大黒屋総本家」の社長でもある牛匠・岡野嘉樹氏によると、大田原牛とは、日本三大和牛として知られる「松阪牛・神戸牛・近江牛」といった有名ご当地ブランドとは違い、大黒屋総本家のプライベートブランドだ。大黒屋総本家は、大自然に囲まれた牧場で極上の那須牛を飼育する一方、日本中の生産地でとてつもなくケタはずれの霜降り肉が出ると、それはそれで一も二もなく仕入れる。あるときはその肉は松坂からかもしれないし、またあるときは神戸産かもしれない。つまり大田原牛とは産地をあらわす地域ブランドというよりも、それがとびっきりの霜降り肉であることを保証する、霜降り信仰の国ニッポンならではの品質保証ブランドなのだ。
大田原牛と呼ぶには厳しい条件が2つある。
まず、日本食肉格付協会が規定する肉質ランク15段階の最高位であるA5クラスであること。そしてそのA5の中でも、霜降りの度合いを12段階に分けたBMS(Beef Marbling Standerd ビーフ・マーブリング・スタンダード)がやはり最高位の12であること。この条件を満たすのは年間国内生産100万頭のうちわずかに30頭。さらにその中からオーナーみずからが妥協のない目利きで厳選した年間10頭ほどの"BMS12を超えるBMS12"が、今回のお取り寄せである幻の大田原牛、「大田原牛超BMS12 超吟選完熟貴腐ロースステーキ」、そして「大田原牛超BMS12 超吟選完熟貴腐フィレステーキ」となる。このレベルになると年間わずか10頭にしぼられ、"食べるダイヤモンド"といわれる由縁である。
さてさて話は戻って、麻布十番での事件です。
完熟巨峰の余韻にひたりながらレストランを出ようとしたまさにそのとき、これから店の取材だという某局朝の情報番組の撮影チームとばったり鉢合わせした。たまたまボクも関係している番組だったので何かネタでも差し上げようと、若い女性ディレクターに参考までに何を撮るつもりかと尋ねた。すると、10万円ステーキを注文する予算がないので、その代わりに1万円程度のステーキを撮るつもりだと答えた。いやいやそれではこの店のユニークさは伝わらない、だったらせめて3000円のふわふわハンバーグも追加するか、そうだ、大田原牛は驚いたことに巨峰の味がするから、リポーターに牛刺しも食べてもらってそのリアクションを撮ったら面白いかもしれないなどと、ついつい余計な口出しをしてしまった。するとまだ入社3年目だった彼女は、巨峰の味がすることの何が面白いのかまったく理解できないといった様子で、見送りに出てきていた店のオーナーやマネージャー、それにシェフを前にしてこう言った。
「だったら、肉じゃなくて、巨峰を食べればいいじゃないですか!」
想像もしなかったリアクションに、思わず目がテンになった…。
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別格大田原牛超吟撰BMS12ロースステーキ ¥105,000 |
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別格大田原牛超吟撰BMS12シャトーブリアンステーキ ¥105,000 |
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大田原牛100%ハンバーグ ¥3,000 |
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「大田原牛超吟撰牛刺し」は完熟巨峰の味でした。 |
ところで白状すると、麻布十番で10万円ステーキを2種類同時にオーダーしてペロッと平らげたのは、実はボクではなく、高級レストランやパティスリーのメニューを一度の訪問で全部食べ尽くすグルメ界の新庄剛志的トリックスター"美食の王様"こと来栖けいだ。ちゃっかり同席したボクは3,000円のハンバーグを注文して、王様のステーキ2切20,000円相当とボクのハンバーグ1切300円相当を物々交換、めちゃめちゃラッキーな至福の時を過ごしたのであります。
協力:世界バリバリ☆バリューの本「史上最強!セレブのお取り寄せ」
(アスコム刊 大好評発売中)
関連情報
◆大田原牛 大黒屋総本家(お取り寄せページ「大田原牛超BMS12 超吟選完熟貴腐ロースステーキ」
1枚(180〜200g)¥63,000
「大田原牛超BMS12 超吟撰完熟貴腐ヒレステーキ」
1枚(160〜170g)¥63,000
◆大田原牛超 麻布十番本店
東京都港区麻布十番1-7-5 フェスタ麻布1F
TEL 03-5786-1125
最近20万円のステーキも登場したらしい…。
◆社団法人 日本食肉格付協会
TOPページ>規格の説明>「肉質等級」の項で、BMS12段階が図解されている。











