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グルメ 「“話のタネ”に食べてみた!史上最強 セレブのお取り寄せ」

第20回 「中村藤吉ぼんぼにえーる」一箱8粒入 三萬壱千五拾円  文・わぐりたかし 人気のセレブ番組「世界バリバリ☆バリュー」の放送作家わぐりたかしさんが、番組で紹介した“話のタネ”になる超高級グルメ&食材を毎週1つ、プライベートでお取り寄せ。日々の暮らしを楽しむわぐりさんならではの、よくあるグルメ情報とはひと味もふた味も違う、美味しい生活を綴った食エッセイです。

子供の頃、マーブルチョコレートは36粒入りで30円だった。
♪マ〜ブル、マ〜ブル、マ〜ブル、マ〜ブル、マ〜ブルチョコレート!というCMで一世を風靡。筒型容器のふたを、ポンッとあけて、容器に貼り付くように入っている鉄腕アトムのシールを取り出すのが楽しみだった。あれから幾星霜。今どき、ちょっと気どったショコラティエでは、一粒200円、300円は当たり前。中には一粒1000円を超えるモノまである。世界一のパティシエ、辻口博啓のショコラ専門店「ル・ショコラ・ド・アッシュ」では、黒トリュフを使った"トリュフ・ノワール"が、一粒1050円。買ったショコラをキープできるセラーがあることでおなじみの日本橋三越本店「サティー ギョモク」のこちらも"黒トリュフショコラ"は、一粒1500円。もっとも、高いといっても一粒千円ちょっとなら、えいやっと手が届かないことはない。でしょ。ところが、これまでのすべての常識を打ち破る、ものすごいチョコレートが登場した。一箱8粒入りで31,500円。単純計算、一粒約4千円。これは話のタネになりそうだ。

宇治の老舗茶屋から、噂のチョコが届いた。
将棋の駒箱をやや平たくしたサイズの桐の小箱をあけると、さらに中からズシリと手応えを感じる銀張りのボンボニエール(砂糖菓子をいれる小箱)があらわれる。箱の表面には、槌をふるって出来た凸凹があり、一見して名工の手仕事と分かる。日本料理には欠かせない伝統の銅鍋を作る打ち物職人、この道50年、寺地茂の作。ふたをあけると、銀紙に包まれたショコラが8粒。さっそく、しずしずと包みをほどく。するとたちまち立ちのぼる抹茶の香り。創業安政六年(1859)、宇治茶の老舗「中村藤吉本店」を代表する高級抹茶の豊かな香りがあたりに広がる。ほのかに交じるミルクの甘い匂い。色は、深みのある濃厚な抹茶そのもの。そっと舌にのせてみる。すると、高貴な抹茶特有のやさしくまろやかな甘みと芳醇な香りが口いっぱいに広がる。練り込んだホワイトチョコレートとのみごとなコラボレーション。後味がしつこくなく、さわやかな清涼感を漂わせる。六代目中村藤吉の妻、かや乃が、わざわざこのために、毎年パリで開催される世界最大のチョコレートの祭典「サロン・ド・ショコラ」にまで足を運び、中村藤吉の抹茶"らしい"味を引き出してくれる最高のパートナーであるホワイトチョコレートを探しだしてきて実現した渾身の力作だ。世にあまた抹茶チョコレートあれど、図抜けて格が違う。

六代目に聞いた。老舗茶屋がスイーツを作るのには、訳がある。
それは10年近く前のこと。六代目中村藤吉は、それまで、「お茶屋はお茶だけ売っていればいい。それ以外のものを売ったらみやげ屋になってしまう」とかたくなに思い込んでいた。ところがあるとき、同じ京都の老舗生麩屋の大先輩から新しいことに挑戦することの大切さを説かれた。「三分の一は絶えず新しいものを生み出そうと挑戦し、三分の二は絶やさず守っていけ。何百も何千も新しいことを試みて、その中から一つ、のちのち残るものが出てくればいい。日々、変わっていかないかん」。老舗の看板を守ることに汲々としていた六代目はふっきれた。自分には代々受け継いできた伝統のお茶という武器がある。そのお茶を使って本当に美味しい新しいものを生み出せば、お茶離れしている若い人を振り向かせることができるかもしれない。お茶の魅力に気がついてもらえるかもしれない…。

六代目はまず、抹茶ソフトを極めることにした。
宇治は茶所にもかかわらず、ちゃんとした抹茶の味がするまともなソフトクリームがない。よし、ならば、と立ち上がった。今度は、神戸で洋菓子店を営む友人がアドバイスをくれた。「老舗の茶屋がやるからには本業の足をひっぱるようなことはできないぞ。儲けを考えるな。儲けることを考えたらつぶれるぞ」。その言葉を胸に世に送り出した抹茶ソフトは、クチコミだけで行列が出来るほどの評判となり、観光名所にすらなった。やがて明治・大正時代の建物を柱や梁をそのまま残してモダンに改装してカフェをオープンすることになるのだが、今度は別の友人が「趣味でやるのか、本気でやるのか?」と迫り、「本気でやるならおまえが厨房に立て」と決意を問うた。虚心坦懐、六代目は三年間、厨房に立ち、"生ちゃこれーと"や"生茶ゼリイ"といった大ヒット商品を次々と生み出すことになる。

新しいことに挑戦する一方で、守るものは守っている。
今、全国どこもかしこも、静岡のやぶきた茶一辺倒になっている。茶葉の姿形がきれいで、細くて青くて見栄えがいい。曲がったきゅうりよりまっすぐのきゅうりを好んで買うのと同じ理屈で猫も杓子も、やぶきたやぶきたと呪文のように騒いでいる。「そやない」と六代目はいう。皆、在来の品種を自信を持って作ればいい。宇治なら宇治の長い歴史に育まれてきたお茶がある。見た目は無骨で太く、色も青くはないが、ひとたびお茶にすれば、香り立ち、さわやかで清涼感があり、この上なく美味。そんな宇治茶の魅力に気付いてほしい。その思いが「中村藤吉ぼんぼにえーる」に結晶した。名工の手になる銀張りの小箱をひとたびあけると、その奥に、味わい深い宇治茶の世界が広がっている。

ところで、中村藤吉本店には、こんな家訓が掲げられている。
「茶煙永日香」(ちゃえん えいじつ かおる)
子々孫々にわたり、宇治の地で茶の商いに精進し、宇治茶の薫煙を絶やさぬようにと、勝海舟がしたためた。六代目は、教えを守り伝統の香りを絶やさないために、絶えず新しい試みに挑戦する。そっか、ぼんぼにえーるは、勝海舟の一言から始まっていると、いえなくもない、かなぁ。


ハードタイプの抹茶チョコレート(1個 約10g)

ハードタイプの抹茶チョコレート(1個 約10g)

銀張りの小箱は、名工の手作りだ。(意匠:工芸はなせ、鍛金:寺地 茂)

銀張りの小箱は、名工の手作りだ。(意匠:工芸はなせ、鍛金:寺地 茂)

自分で挽いた抹茶を茶室でいただく体験ができる。(事前申込制)

自分で挽いた抹茶を茶室でいただく体験ができる。(事前申込制)

創業安政六年(1859)、宇治茶の老舗「中村藤吉本店」
代々当主は「中村藤吉」を名乗る。

創業安政六年(1859)、宇治茶の老舗「中村藤吉本店」
代々当主は「中村藤吉」を名乗る。




協力:世界バリバリ☆バリューの本「史上最強!セレブのお取り寄せ」
  (アスコム刊 大好評発売中)


関連情報

中村藤吉ぼんぼにえーる中村藤吉本店
京都府宇治市宇治壱番10番地(JR宇治駅南口前)
TEL: 0774(22)7800
「中村藤吉ぼんぼにえーる」(限定10セット)
8個入り 31,500円(税込、送料別)
サイズ:[外 桐箱 118×98×40mm]、 [内 銀張りの小箱 90×70×21mm]
2008年以降も、形を変えてボンボニエールシリーズが登場予定だとか。どんなスタイルになるか乞うご期待!

生ちゃこれーと・一松BOX
生ちゃこれーと・一松BOX
昨年に続いて登場!人気のバレンタイン期間限定商品です。

生茶ゼリイ 生茶ゼリイ
中村藤吉本店の看板商品ともいえる人気のゼリー。挽きたての抹茶をふんだんに練り込んでいる。

「中村銘茶プレミアム」 2缶セット ◆中村藤吉本店のフラッグシップ「中村銘茶プレミアム」 2缶セット
相生(煎茶)+ 別製玉露 各1缶120g
29,400 円

◆辻口博啓のショコラ専門店「ル・ショコラ・ド・アッシュ」(六本木)
トリュフ・ノワール 一粒 1,050円

「サティー ギョモク」(日本橋三越本店)
黒トリュフショコラ 一粒1,500円
わぐりたかし

わぐりたかし Takashi Waguri

放送作家。
超ゴージャスなセレブ番組「世界バリバリ☆バリュー」(TBS)から、その対極にあるスローライフな雑誌「ソトコト」のTV版「ハッピー!ロハス」(BS朝日)まで幅広い番組を担当。今話題の"美食の王様"来栖けい、築地王B級グルメ王ヤキニクエスト東京カリ〜番長をはじめ、グルメ雑誌編集長や人気フードライターなど飲食業界で活躍する知己に恵まれ、超A級三つ星クラスから庶民派B級グルメまで美味しいモノの情報には事欠かない。汐留名物「汐留らーめん」の発案者であり、「日本フードジャーナリスト会議」を主宰。「野ブタ。をプロデュース」「愛の流刑地」などのドラマ企画も手がけ、出版プロデューサーとしても活躍中。


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りんごの王様「冠雪の実 蜜の宝」1個 二千円 

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中村藤吉ぼんぼにえーる 一箱8粒入 三萬壱千五百円

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