「門出を祝うシャンパーニュ」
スタート、これからの門出、船出などの様々な「これから」を祝って、最初に提案させていただくのは「MOET & CHANDON BRUT IMPERIAL」
なぜならば、フランス皇帝「ナポレオン1世」が大のお気に入りであったこのシャンパーニュ。これから侵攻に出向くときには、必ずこのシャンパーニュを空けて出陣の勢いをつけ、大量に携えていったとか。
モエ・エ・シャンドンの歴史を語ることはシャンパーニュの歴史を語ることになります。
創立は1743年。シャンパーニュでも最も古いメゾンの1つ。創立者のクロード・モエはすでに1716年には有力なワイン商人になっていました。1743年に創立された時からこのハウスは貴族や有力者の用を賜っていました。
「貯蔵庫は総延長 28km 以上」
現在、モエ・エ・シャンドンは最大のシャンパーニュ生産者です。モエ・エ・シャンドンが熟成するワインは貯蔵庫(カーブ)の中で長さ約28キロ以上にも達し、1年中10〜12度の温度に保たれた中、ボトルは寝かされています。
モエ・エ・シャンドンのシャンパーニュは均整の取れたシャンパーニュです。醸造家は3種類のぶどうを使って造ったワインをバランス良く組み合わせてブレンド(アサンブラージュ)し、シャンパーニュの「テロワール(土壌条件)」の豊かさと多様性が現れるように力を注ぎます。カーブの中で熟成にかける時間が長いこと(ブリュットで平均3年間)でも知られています。
「ワイン製造職人250人の手が支える」
モエ・エ・シャンドンのシャンパーニュがこれほどまでに成功したのは、ワイン製造職人たちの技能に加え、葡萄の栽培からワインの熟成に至る製造の各段階を厳格に管理した結果です。モエ・エ・シャンドンが所有する葡萄園は、250人の人手によって手入れされ、管理されています。過去2世紀以上にわたり、モエ・エ・シャンドンはシャンパーニュ地方の最大のワイン製造者の地位を維持してきました。またモエ・エ・シャンドンはこの地方最大の葡萄の買い手でもあります。数多くの葡萄を買い付けることにより、シャンパーニュ地方の土質と気候のいろいろな側面を反映した葡萄を選択できるようになります。
「ポンパドゥール夫人」
クロードの息子のクロードルイ・ニコラ・モエの時代には有名なお客の一人にポンパドゥール夫人がいました。毎年5月になるとポンパドゥール夫人は200本のシャンパンをコンピエーニュの夏の宮廷に運ばせました。
「ナポレオン1世との出会い」
クロードの孫のジャン・レミー・モエは19世紀に欧州市場の征服に乗り出しました。当時ブリエンヌ・ル・シャトー兵学校で学んでいた彼はコルシカ人青年と知り合いになります。のちにこの青年は皇帝ナポレオンとしてしばしばモエ社のあるエペルネに足を運びました。「ブリュット・アンペリアル(辛口の皇帝)」という名称はナポレオン1世とモエ家の関係を後世に伝えるものです。モエのシャンパーニュはフランス宮廷で高い評価を受けただけでなくヨーロッパの他の宮廷でも高く評価され、今もその伝統が続いています。モエ社は今も英国王室のほか、スペイン、ベルギー、スウェーデン、デンマークの王室、それにバチカンの御用達となっています。
1832年、ジャン・レミー・モエは自分のハウスを息子と女婿のガブリエル・シャンドンに譲渡しました。
このとき「モエ・エ・シャンドン」という名前がつけられました。
シャンパーニュ地方はフランスのパリより北東に約145kmのところにあり、ピノノワール、ピノムニエ、シャルドネの3種類を約32,500haの畑で約19,000人の栽培者によって栽培しています。シャンパーニュはシャンパーニュ地方で決められた方法で厳しく管理されているもので、フランスの一般的な発砲ワインでも、シャンパーニュ地方以外で作られれば「シャンパーニュ」を名乗ることは出来ません。もちろんフランス以外の国で造られたものに「シャンパーニュ」などと付けたらフランスは黙っていないでしょう。1980年代後半には、アメリカで作られたワインに対して厳しく抗議し、それが認められ今では「シャンパーニュ」などの地方名を付けられなくなりました。
世界各国(飲酒文化のある国)の国家元首などが参加するパーティーでは、必ずシャンパーニュが乾杯用に振舞われます。このことからも、シャンパーニュはお祝いや晴れやかな席には付き物とされています。
また日本やフランス、イギリスの国家元首が参列する晩餐会では、乾杯が始めではなく、お肉料理が出てデザートの前に乾杯のセレモニーが執り行われます。その時には決してグラスは重ねず、互いの目を見て杯を上に上げるだけです。なおアメリカでは最初に挨拶をして乾杯したり、食事の途中で乾杯したりと様々な形があります。
最初ですので今月はもう一本。
こちらも、名門中の名門である、「Pommery」社より、この時期より晩秋までしか飲むことの出来ない「POMMERY SUMMER TIME <Blanc de Blanc>」をご紹介します。
ソムリエ、銀座Wine・Bar・Italian「SPACE」取締役支配人。
元ホテル西洋銀座シェフ・ソムリエ。