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グルメ 今月の一本

第3回「トロピカルカクテル」文=港信之 日本でも有数のソムリエとして、また一流バーテンダーとして、お酒に対するこだわりを持ち続ける港信之さんが、ワイン、日本酒、シングルモルト、焼酎など毎月ひとつのブランドや銘柄を選び、一流のブランドや人気の銘柄を支える作り手たちのこだわりを伝えます。

お酒といえばやはり夕刻から夜にかけてと言うイメージでしょうし、へたをしたら「午前様」のような深夜のイメージで、お酒に関連した職業をしている私には決して太陽が似合うことなどないのは重々承知ですが、実は私、かなりの「ハワイ好き」です。3〜4日かそれ以上の休みを取ることができればハワイに出かけたくなります。決してサーフィンをしたりダイビングをしたりしているわけではないのです。それこそ私には似合わないことでしょうから。
ハワイに行くとどうしてもしてしまうことがあります。それは、プールサイドで寝そべって、ビールやカクテルを朝から飲んで昼間も飲んで夜も飲む。結局朝から晩まで誰に気兼ねすることなくお酒を飲むこと。青い海とお酒がそこにあればリラックスできるのです。6年ほど前から4年間、一度も海に入ることなく、海を眺めながらカクテルやビールを嫌と言うほど飲み、毎日二日酔いだった時もありました。

カクテルには様々なものがあります。オーセンテッィクなもの、コリンズ、スリング、コブラーなどと呼ばれるものなど数多く存在しています。
その中でもトロピカルカクテルと呼ばれるカクテルの多くは南国には欠かせない存在になっています。ハワイのプールサイドではとにかく、なくてはならないものです。
トロピカルカクテルの内、知名度の高いカクテルにはハワイに関連したものが数多くあります。
代表作では「ブルーハワイ」。ハワイの美しい青い海をイメージして造られたとか。ラムにブルーキュラソーという青い色のリキュールとパイナップルジュースで造ったもので、デコレーションにパイナップルやチェリーなどを添えてストローを二本、クラッシュドアイスで満たされたグラスで出てきます。

そしてもうひとつ有名なものに、ピンクハウスで有名な「ザ・ロイヤル・ハワイアン」のバーの名前にさえなっている「マイタイ」があります。
MAI-TAI(マイタイ)とはタヒチ語で「THE BEST」という意味から来ています。
カクテルは有名になればなるほどその作者が分からなくなることが多いですが、このカクテルは今でもちゃんと作者が分かっています。作者の名はVictor J. Bergeron(ビクター・J・バージロン)氏。約70年前、サンフランシスコの有名なポリネシアンレストラン「トレーダー・ヴィックス」をオープンさせたオーナである彼が1944年に考案したもので、友人に出したところタヒチ語で"Mai-Tai Roa Ae"(日本語で「この世のものならず"最高"だ」)と言わしめたとのこと。そこで付けた名前が"Mai-Tai"でした。それだけではあきたらないビクターさんは、1953年にハワイを訪れた際に「ザ・ロイヤル・ハワイアン」と「シェラトン・モアナ・サーフライダー」の両ホテルのバーにこのマイタイカクテルを提案。オンリストさせることに成功します。その後のアメリカでの成功例は数知れず。食品流通を起動に乗せ、レストランを世界中に展開していきました。
カリフォルニアで誕生した「マイタイ」は「ザ・ロイヤル・ハワイアン」の「サーフバー」を「マイタイバー」という名前に変え、その後マイタイバーで造られたオリジナルレシピが有名となり、ハワイから世界へと発信することとなったのです。
彼の名前をパソコンで検索するとアメリカだけではなく世界に広がったレストランと自慢話が書かれているので一度開いてみることをおすすめします。

マイタイ
マイタイ
ブルーハワイ
ブルーハワイ



港信之

港信之(みなとのぶゆき)Nobuyuki Minato

ソムリエ、銀座Wine・Bar・Italian「SPACE」取締役支配人。

元ホテル西洋銀座シェフ・ソムリエ。
2004年12月ホテル西洋銀座で開催された、ジョエル・ロブションとロバート・パーカー両氏による「ヘドニスト・ディナー」(いわゆる「100万円ディナー」)のシェフ・ソムリエを務めるなど、数々のイベントで活躍した伝説的なソムリエ。現在は、銀座にある、イタリアンキュイジーヌとワインを楽しめるお店「SPACE」の支配人を務める。
バーテンダーとしても内外の大会で入賞するなど、ワインに限らず、シングルモルトや日本酒、焼酎など、こだわりのあるお酒に関する知識は超一流。作り手との交流も欠かさない。

小僧comアドバイザリーボードメンバー
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