今月の一本
明けましておめでとうございます。お正月から、ちゃんとお酒をお飲みになっていますでしょうか。
2年前まではサラリーマン(会社員)として「ホテル」で勤めていたために、毎年夏休みと冬休みを頂戴しておりました。毎年、12月31日まで忙しく、1月に入れば松の内の7日あたりまで忙しかったのです。それから周りのスタッフと相談し冬休みを取って、仕事柄フランスやイギリス、ドイツによく行っておりました。中でも面白かったエピソードは、イギリスに行った時のことです。
ザ・マッカラン蒸留所の当時副社長であった「HUGH MITCALFE フュー・ミットカーフ」氏が12年ほど前に来日された時、先輩に紹介され初めてお会いしました。次の2月に初めてスコットランドの蒸留所を訪ねた時、彼から「次回来るときは必ず6月から9月の間に来てください。下のスペイ川で一緒に釣りでもしましょう。」とのお誘い。その年の5月に彼の来日でまた再会し、居酒屋で日本酒、ウイスキーで乾杯。「約束を覚えているかい?」と聴かれるもタイミングが合わずに叶わず。翌年の1月ようやく訪問したとき、彼は迎賓館前で我々を出迎えてくれました。それも変な格好で??「遅いよ。6月から待っていたんだよ!」と。彼の格好は釣り竿を持ち長靴、腰までビニールのズボンと、なんと釣り人スタイルでした。1月なのに!翌年も全く同じ姿で待っていてくれたミットカーフ氏。笑わせてくださいました。
素晴らしい名声がある蒸留所ですので、造り方は言うまでもありません。
スコッチウイスキーとは、スコットランドで蒸留したウイスキー類を総称で呼んでいます。
ザ・マッカランはそのうちの「シングルモルトウイスキー」を造っている蒸留所です。大麦麦芽を使い、水、酵母以外は使用しない、3年以上の熟成期間、そのほかの蒸留所のウイスキーを添加しないなど、規制や税金の面でもとても厳しく管理しています。
ワインと同じく海外のお酒類は国で決めた規制や規則がとても厳しく、守らないとそれこそ蒸留所などが閉鎖に追い込まれたり、多大な罰金を払わされたりとなります。
蒸溜所は、スペイ川沿い(スコッチウイスキーのお好きな方なら解る有名な川)の高台にあり、昔この地が、”聖コロンバの丘”を意味するマ・コラムと呼ばれていたのがマッカランと変わったものだそうです。密造酒を作っていた頃を除いて、正式に政府に認可されたのが1824年。スコッチウイスキーの正式認可蒸留所としてはかなり古い蒸留所です(一番古い正式認可は1823年)。蒸溜所は1950年初頭に拡張され、1959年に再拡張。それでもザ・マッカランの需要は伸び続け、1965年に6基あった蒸留器は倍の12基に、1975年には21基に増設されたそうです(現在使用されているのはそのうち15基)。現在、この蒸留所はハイランド・ディスティラリーズが所有していて、サントリーもザ・マッカランの株を所持しているそうです。
ザ・マッカランの特徴は、原料の二条大麦にゴールデン・プロミス種(高級大麦品種)を使用し、スペインから輸入するシェリー樽の使用にはこだわりを持ち、ウイスキーの熟成に使っている点にあります。蒸溜器はスペイサイド(スコットランドの一地域)で最小のものを使っていて、優しい感じのウイスキーが造れるのはこの小ささから、といわれています。
スコットランドの人々はとても気持ちのいいかたばかりで、車を途中駐車して景色を見ていると「何か困ったことがありますか?車のトラブルですか?」とわざわざ家から出てこられることもあります。蒸留所の見学スケジュールを断らなくてはいけなかった時、「今度はいつ来るの?」「来年か再来年です」と応えると「その時までずっとウイスキーをグラスに注いであるままにしておくよ」と言われ、感動して涙が出たことがありました。本当に、素晴らしいところです。
スコッチウイスキーの歴史は、イングランドとスコットランドの紛争や税金の歴史が複雑に絡み合い今のスコットランドの山奥に点在しています。現在は、観光でも訪れることができますが、まだまだ地図だけでは探せない所が多数あります。紹介している「ザ・マッカラン」も地図では分かりづらく、私も初めて訪れた時は何回迷ったことか。わき道を暗い小高い丘のほうに上がっていくと、ザ・マッカランの敷地と看板が見えてきます。スコットランドでドライブをする方は、時間と忍耐をお持ちになり行かれるよう、お薦めいたします。道に迷ったら是非周りの方々にお聞き下さい。ゲール語なまりの英語でゆっくり道を説明してくださいますよ、きっと。
(輸入・販売サントリー株式会社)







