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グルメ 今月の一本

レミーマルタン 文=港信之 日本でも有数のソムリエとして、また一流バーテンダーとして、お酒に対するこだわりを持ち続ける港信之さんが、ワイン、日本酒、シングルモルト、焼酎など毎月ひとつのブランドや銘柄を選び、一流のブランドや人気の銘柄を支える作り手たちのこだわりを伝えます。

“ブランデー”この言葉で何を想像しますか?
大きめなブランデーグラスに茶色の液体を入れ、ゆっくりとグラスを回し、格好はガウンに葉巻ですか?そもそも「ブランデー」って何なのか、ちょっと知りたくありませんか?

「ブランデー」は何から出来ているか?皆様方に一番知られているものに「ヘネシー」や「レミーマルタン」「サントリーブランデー」などがありますが、これらは原料が「葡萄」から出来ています。作り方は簡単!葡萄からワインを作りそれを蒸留する。蒸留したものを木の樽などで何年か寝かせて味がよくなってきたときに瓶につめて出荷です。簡単すぎる解説ですが、少しは難しいことを書かないと本当にこの人大丈夫?って思われそうなので、今回は蒸留を少し詳しくお話します。

まずは蒸留の簡単な方法から。
葡萄からワインを作ります。ここまでは醸造といいます。ワインの醸造とは葡萄の糖分が醗酵(酵母・細菌などの微生物が有機化合物を分解し、アルコール・有機酸・炭酸ガスなどを生じる過程(広辞苑より))してアルコールを形成してワインとなっていきますが、そのワインをあっためて沸かします。アルコールの沸点は78.325度なので水の沸点(100℃)より低く早く蒸気になります。その蒸気を集めまた冷やしてあげるとアルコールの固まり(アルコール濃度の高い液体)が集まります。この作業を蒸留といいます。かなり簡単に書いたつもりですが難しかったらごめんなさい。また、小僧の皆様には「わかってるよ」と言われるかもしれませんね。

もともと「ブランデー」とは、葡萄だけでできたものを呼んでいたのですが、現在は葡萄だけとは限らず、フルーツを使って蒸留した飲み物を「ブランデー」と広く呼びます。さくらんぼ、木苺、すもも、洋ナシなど様々な種類のブランデーがあります。そのうちブームが到来することでしょう。

今回紹介するアイテムはレミーマルタンのブランデー各種です。

フランスのブランデー産地として大きな地区が2箇所あります。そのうちの1ヶ所は「アルマニャック」地方。もうひとつは皆様も聞いたことがあるでしょう、「コニャック」地方です。その「コニャック」地方には有名なブランデー会社がいくつもあります。「ヘネシー」「マーテル」「オタール」などなどです。今回はその中でも前回紹介した“ザ・マッカラン”同様現地にて大変お世話になり、東京銀座が有名にしたブランデー「レミーマルタン」を紹介します。
今から10年ほど前、日本の「レミージャポン」様にお世話になり、フランスで一度現地の社長と会うため、ツアーを組みバーテンダー仲間5人で伺いました。前日にボルドー地方を散策し、次の日2時間掛けてコニャック市に到着。さて、レミー社に向かうべく日本のレミージャポン社からもらってきた地図を片手に探すこと1時間。どこにもない!前回のマッカランの時にも書きましたが、地図が全然わからない!ようやくたどり着くもなんとなく違うようだ。どうやら、郊外にある樽保管倉庫に来てしまったらしい。本来なら、本社にある迎賓館で社長と面会し、歴史館の案内後に郊外の樽保管倉庫へと案内してくれるはずだったのだが・・
東京の方から頂いた地図が間違っていたようなのです。

大きい敷地の保管倉庫を見学し、この時点で2時間近く待たせてた社長と面会。「皆で食事しましょう」と暖かいお言葉の後に、レミーマルタンの商品ラインナップで乾杯です。レミーマルタンスーペリオールのロックスタイルで乾杯、食事中はレミーマルタンナポレオン(当時はまだ販売中、現在は製造終了しています)の水割り、デザートはレミーマルタンX.Oストレートと続きました。食事の最後に、コーヒーと一緒にこれを、と出されたのが「レミーマルタンEXTRA」でした。「シガーと一緒にどうぞ」と。その後に別室に招かれ、「こちらでくつろいでください」と出されたのが、レミー社の最高級品「ルイ13世」でした。

最初に書きました{東京銀座が有名にしたブランデー}という意味は、当初銀座の町には「ヘネシー」が圧倒的に多く、まだまだ「レミー」の名前が広がっておりませんでした。そこで日本の市場を開拓しレミー独自で作り上げた銘柄が「CLUB SPECIAL」です。
ではなぜ銀座?それは銀座の夜の華やかな世界である“クラブ”向けに販売をかけたのです。そのおかげで、“レミー”のブランデーの名は大きく広がり全国で知らない人はいないほどまでになったそうです。

レミーマルタン VSOP
平均熟成年数4年から12年の数種類の樽をブレンドしバニラ、樽、などの香りが広がる。世界のV.S.O.Pコニャックのトップブランド商品です。

レミーマルタン クラブ スペシャル
平均熟成年数5年から25年の原酒をブレンド。グレードの高い香立ちが特徴。女性に人気が出るようにやや甘めにブレンドされています。

レミーマルタン X.O
グランド・シャンパーニュ産(豊富な石灰質をふくみコニャック地方で一番長期熟成に向きデリケートな香り、豊かなボディのブランデーを作ることができる畑郡)のぶどうを85%、プティット・シャンパーニュ産(前記のグランド・シャンパーニュに近いがやや穏和で熟成もやや早い)のぶどうを15%使用しています。平均熟成年数10年から37年の約300種におよぶ原酒をブレンドし、まろやかで豊かなコクある味わいが特徴。ボトルネックにはシリアルナンバーが刻印されています。

レミーマルタン ルイXIII
レミーマルタンの頂点に立つ最上級ブランド。グランド・シャンパーニュ産のぶどうのみが原料となっている逸品。40年から100年もの平均熟成年数を重ねた約3,000種におよぶ原酒をブレンド。バカラ社製のクリスタルデキャンタに収まっています。もちろんロット番号付きで、デキャンタのふたの部分にもバカラの刻印入り。バカラのロット番号証明書まで付いている。

ワインの世界では20年もの間、瓶の中で熟成しているものに出会ったら感激しますが、ブランデーの世界は100年にも及ぶ熟成がされている。なんとすごいことでしょうか。

カクテル、ワイン、日本酒、焼酎ブームがかわるがわるやってきて、さて今年、来年は何のブームがやってくることやら。もしかしたら「ブランデー」のブームがやってきて、石原裕次郎のブランデーグラスが大流行となれば、小僧の皆様が主役になるのは間違いないでしょう。



港信之

港信之(みなとのぶゆき)Nobuyuki Minato

ソムリエ、銀座Wine・Bar・Italian「SPACE」取締役支配人。

元ホテル西洋銀座シェフ・ソムリエ。
2004年12月ホテル西洋銀座で開催された、ジョエル・ロブションとロバート・パーカー両氏による「ヘドニスト・ディナー」(いわゆる「100万円ディナー」)のシェフ・ソムリエを務めるなど、数々のイベントで活躍した伝説的なソムリエ。現在は、銀座にある、イタリアンキュイジーヌとワインを楽しめるお店「SPACE」の支配人を務める。
バーテンダーとしても内外の大会で入賞するなど、ワインに限らず、シングルモルトや日本酒、焼酎など、こだわりのあるお酒に関する知識は超一流。作り手との交流も欠かさない。

小僧comアドバイザリーボードメンバー

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