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ヘルスケア こころとからだの元氣通信

第2回 いまどきのうつ
文=河本卓也 予防医学に軸足をおき、さまざまな新しい医療の形を提案する「こころとからだの元氣プラザ」から、こころの健康、からだの健康のための役立つ情報をお伝えします。

からだの健康チェック時には、こころの健康チェックも忘れずに。

冬になると「うつ病」が増えるといわれていますが、この病気の傾向が、近年変化しつつあることをご存知でしたでしょうか。

特に最近では、30代を中心に新たなタイプのうつ病が増えています。
かつては、性格的に秩序や規律を乱さない人が、うつになりやすいとされてきました。ところが最近では、人から言われた一言がストレスとなり、うつ状態に陥る「叱られたくない」うつが増えてきています。もしも家族が、この新たなタイプのうつになったら、どう対応すべきでしょうか。

このタイプの特徴は、その人の成育環境が関与していると言われています。人間は成長の過程でいろいろな能力を身に付けながら発達し、自立をしていくものです。ところが、厳格な父親、過干渉で心配性な母親、あるいは夫婦げんかの絶えない家庭で育った人は、不器用な自己主張しか出来ない性格になっていくのです。

具体的な特徴として、こうした環境で育つと、自己愛的で、自分を傷つけることに敏感になる人が多いのです。しかも、問題に向き合うことを避け、なんでも人のせいする開き直りタイプのうつになる傾向が増えています。

このように成育段階で社会性が抜け落ちたタイプの人の治療には、薬だけよりも精神療法やカウンセラーによる認知行動療法の併用が効果をあげています。職場や家庭でこうした問題を抱えておられる方は案外増えています。このことをアドバイスしてあげると、役立つと思います。

一方家庭では、父親や母親は子どもに嫌われたくないために、「叱れない」傾向が強くなっています。“叱れない”親と“叱られたくない”子どもは、お互いに不器用な自己主張しか出来ないため、結果的にどんどんコミュニケーション不足となり、悪循環を引き起こします。

こうした社会状況を反映して、新たなタイプのうつに悩む50代の管理職が増えています。自分もこうしたネガティブな渦にまきこまれないようにするには、まず聞き上手になって、コミュニケーション不足を解消することです。また、一人で対応をするのではなく、産業医やカウンセラーに相談するなど、周りの人にも協力してもらい、具体的な問題解決法をアシストするなど、考え方の幅を広げてあげる工夫も必要です。

こうした傾向のある部下や家族がいらっしゃる場合には、ご自身のこころの健康管理の観点から、健診などの機会に専門家に相談してみてはいかがでしょうか。


関連情報

「こころとからだの元氣プラザ」 「こころとからだの元氣プラザ」
●飯田橋駅徒歩1分。健康診断の概念を築いた予防医学の先駆施設として、生活習慣病予防をいち早く提唱。人間ドックなど、検査後のフォローアップは、大学病院なみの外来診療各科で対応してくれる総合医療センター。

河本卓也

河本卓也(こうもと たくや) 

日本大学医学部精神病理教室、米国クィーンズメディカルセンター、東京大学医学部附属病院精神神経科を経て、1999年より財団法人東京顕微鏡院勤務。精神保健指定医。
コメント:現在の社会情勢のニーズに対応したメンタルヘルスについての相談をお受けしています。



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