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ライフスタイル いいもの見つけた

第1回 雪月花のテーブルランナー  文=田中美知代

ここ数年、京都の伝統工芸と関わる仕事が続いている。織り・染め・繍(ぬい)の繊維の世界の人々と何か新しい切り口のもの作りが出来ないかと考えている。

インテリアや空間の仕事で生きてきたが、布は空間の衣ともいうべき大切な要素である。でも、主に取り扱う中心は輸入の品が多く、和の表現をしたくとも日本のメーカーの商品群にさがすのはあきらめてしまうことが多かった。意外に、海外のデザイナーのものに、よくぞと思うくらい、大胆に切り取った日本を発見する。外国の人にとって日本の自然や古来の紋様に新鮮なモチーフの発見があるのだろうと思う。探していたイメージを外国の布に見つけたとき、発見の喜びと同時にいつも少々の悔しさが残った。

縁あって、京都に関わることになった時、今までの自分の不覚を恥じた。呉服の世界の伝承を目の当たりにすると、言葉も失う。なんと大胆かつ繊細な意匠の宝庫なのだろうと。ほんの少し、色をシンプルにして異素材を取り入れれば別の切り口を見つけられると確信した。

京都の出会いを通じて出来たものがこのテーブルランナーである。丹後半島で藤布を織っている小石原さんの作品。地の部分は限りなく透明感を出して、金銀糸で月の満ち欠けと雪輪に花、雪月花を静かに配したランナーはまさに日本でありながらモダン。精緻に織り上げることが身に備わっている人にとってざくざくと透明感を出して織ってなど、とんでもないことには違いないのだろうが、小石原さんの手になると何とも品のある織り地に仕上がる。

京都に代表される日本の宝物をもっと広やかに世界に問うてみたい。これは私のライフワークだ。
無意味な工夫ではなく意味ある試みかを見極めるのがテーマだ。埋もれたいいものに出会ったとき の気持ちを少し抑制して考える。もの作る人の心根を尊重した新しい展開をどこに見いだすか。 そして新たなチャンネルにどう結びつけるか。この試行錯誤の中から産業という形に出来ないかと考えているのである。

小石原将夫プロフィール

・丹後藤織保存会会員
・丹後藤布振興会会員
木の布工房 遊絲舎
〒629-3102 京都府竹野群網野町字下岡 610
電話:代表 : 0772-72-3332 / FAX 0772-72-5552
遊絲舎 : 0772-72-2677
小石原さんは京都の北部、丹後半島網野で、明治時代より続く織り元に生まれ、彼の代になって丹後でひっそりと伝えられてきた藤布の復興と製品化に取り組んできた。
藤の蔓より糸をとり、織り上げる藤布は、日本で最も古い織物の代表格である。
古来からの方法で、藤布を織る技法を守っている唯一の工房であり、小石原さんはその伝承者だ。風土と密接にかかわってきた工芸を守りながら、小石原さんは新しい試みにも取り組んでいる。異素材や、空間のエレメントとしての、製品作りなど、次代へ伝える努力を感じる。
[商品詳細] 
雪月花のテーブルランナー ¥ 36,000円
(素材 : シルク、金糸、銀糸)
サイズ : 35cm×2m50cm
受注生産にて承ります。納期は2週間程度です。


田中美知代

田中美知代(たなか みちよ) Michiyo Tanaka

家業を通じてインテリア関係の仕事、インテリア設計を修得。85年にインテリアコーディネイターの資格を取り、それ以降戸建、マンション、個人の邸宅など数多く手がける。03年LAUNEのチーフコーディネイターとなり、05年にはライフスタイルプロデューサーとして独立。小僧'sサイト「和・美意識」公開中。

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