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ライフスタイル いいもの見つけた

第2回 書くもの 文=田中美知代

この季節になると誰かに手紙を書きたくなる。秋は人を内省的にするのかもしれない。日頃はもう今やパソコンでキーボードをたたき、送信ボタンで瞬間的に送り届けてしまう味気なさだが、幸いにも同年代の友人はパソコンと無縁のアナログ人も多く時折手書きの便りを受け取る。手書きの便りは、行間にその人のためらいや嬉しい心の弾む様などが感じられ楽しい。書くことも又自分を取り戻すような気がするものだ。

便箋やはがきに文を書く、ほんの短いお礼状であってもどんなものに書くかは気になってしまう。今時の言葉で言えばどんなデザインのキャンバスを選ぶかはささやかな自分自身のプレゼンテーションだから。

最近のお気に入りはこの京都で見つけたはがきと一筆箋である。和紙にすっきりとあしらわれたデザインはこれ見よがしな情感とは無縁のきっぱりとした日本のモチーフだ。京都のグラフィックデザイナーたちの余技として生まれたこれらのコレクションは新鮮な驚きだった。京都の入りくんだ路地をたどっていくとある町屋がその人たちの店“裏具(うらぐ)”。二度目に行ったとき迷子になって町の人に聞くと‘ああ、あのはがきやさん?’といって案内してくれた。
裏具、聞き慣れない語感だ。嬉ぐ(うらぐ)という言葉から来ているのだとか。嬉しい気持ちを伝えるのには良い言葉だと思う。いい言葉を知った。でも今じゃ、解説付きでないと伝わらないけど。 今夜は誰に手紙を書こうか。書き始めると次々と手紙を書いてしまう。秋の夜の私の病気のようなものだ。

[詳細情報]
裏具
京都市東山区宮川筋4丁目297
TEL/FAX075−551−1357
営業時間12:00〜18:00
定休日月曜日(祝日の場合は翌日)


田中美知代

田中美知代(たなか みちよ) Michiyo Tanaka

家業を通じてインテリア関係の仕事、インテリア設計を修得。85年にインテリアコーディネイターの資格を取り、それ以降戸建、マンション、個人の邸宅など数多く手がける。03年LAUNEのチーフコーディネイターとなり、05年にはライフスタイルプロデューサーとして独立。小僧'sサイト「和・美意識」公開中。

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