今月の小僧 第3回 植山周一郎さん
今月“小僧”として登場するのは、ツヤツヤでほのかにピンク色が挿す美しい肌の持ち主・植山周一郎さん。サッチャー元英国首相やヴァージン・グループ顧問を務める植山事務所の代表。
「僕の幸せな人生のキーワードは、“PPK=ピンピンコロリ”。それが夢だね」。「知り合いで、80歳でゴルフをして、なんと優勝してみんなで祝杯を挙げていい気分で寝た翌朝、そのまま起きてこなかったという人がいるんだけどそれは幸せだよね。優勝の喜びを抱いて寝てそのまま、なんて。」 朝5時に起きて、まずひと仕事してからジムに出かけて体を鍛えるのが日課という彼は、61歳とは思えないほどPPPPPPP(ピンピンピンピンピンピンピン)!!でK(コロリ)にはまだまだ縁がなさそうな“小僧っぷり”が豪快。「彼にキャッチフレーズをつけてみよう」と思ったら、すぐに5つのキーワードが浮かんできた。
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まず、常識を超えて“わがまま”をしてきた人だ、ということ。といっても自己中心的というわけではなく、彼のわがままは周囲から愛され続けてきた。「英国ソニーから日本に戻るとき、係長で帰ってこい、といわれたけどそれじゃ何もできないからと課長にしてもらったよ。でも帰国当初の仕事はどうにもつまらなくて、経営トップに『こんな仕事じゃ嫌だ!』とまたまた直談判。で宣伝部に異動して、すぐに責任あるポストにしてもらいました。よきにつけ悪しきにつけ社内で目立つ存在だったね。」わがままな主張を押し通しながらの生活は、自由なようで責任重大。笑って語る裏には相応の厳しさもあったに違いない。ソニーでのそんな自由奔放な毎日をあっさりと手放し、30代半ばで独立を決意。「ソニーでの僕は、温室に咲いた小さな花。自分の本当の力を試してみたかったんだよね。」
さすがに事務所設立当初は苦労したらしい。「ブロッコリー畑の中にポツンとあった自宅の2階が事務所。何もやることがないから、近くでテニスやゴルフの練習をしたりしてね。なかなか大変だったよ」。大企業で意気揚々と働く立場から、自宅兼事務所というたった一人の仕事環境へ。それはかなり大きな変化だったに違いない。「でも、僕は退職した後もソニーからそれまでの給与の1/5をコンサルティング料としてもらっていたんだよな。その後の僕の事務所の1番最初のクライアントもソニーだったし、健康保険は今でもソニー健保!ソニーには本当にずっと可愛がってもらっていたってことだよね」 これこそ、愛され続ける男の魅力のパワーだ。

35歳で独立した当時
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植山流わがままは、なぜこんなに許されていたのか。否。植山さんは、植山流わがままをどうやって許させていたのか。その秘密のひとつは、彼の語る“積極的刹那主義”にあるようだ。「僕は、若いときガンを患って生死の境を彷徨ったんです。そんな経験があるからかな。とにかく今日1日を一生と考えて行動しています。24時間を倍の濃さで過ごせば50歳で死んでも100歳まで生きていたことになる。そのためには時間のマネージメントを意識しないとね。密度を高く、時間を大切に過ごす。これが積極的刹那主義です。仕事も遊びも目一杯やる。ま、誰より欲張りってことかな(笑)。」
つまり24時間真剣勝負ということ。人生に対する真摯な姿勢こそ、彼のわがままが、周囲に許されてきた理由だったに違いない。
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「健康というオーラはまわりの人まで幸せにするよね。押し付けではなく、自然にみんなに元気を届けることができる。だからこそ僕は毎朝ジムに行って運動をして、サウナに入ってくるんです。そうすると、肌にもツヤがあって表情もイキイキしてくるから、ミーティングで会う人たちみんなに僕の活力がサーッと届いていくんだよね」
内側を磨き、外側も磨く。そして人を惹きつける。冒頭の“PPK”をまっとうするための重要な要素だ。
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彼を語るための欠かせないキーワード、それが言葉。「今まで出版した著作は44冊になりました。その中で翻訳本が27冊。小説も数冊書いたけど、僕がやるべきこと、得意なことはフィクションをつくることではなくてもっとダイレクトに伝わる言葉を書くことなんだよね。たとえば翻訳も、訳し方によって読みやすい文章になったり、また逆に難解になったりもする。読者の身近に届く翻訳は僕が一番だと思うから翻訳をしている。お金ありき、じゃないんですよ。」
ソニー時代にも“ジョン・トーマス”というペンネームで本を出版。今後も新たに6冊出版し、生涯50冊を目指すという。日本語、英語以外にフランス語、ドイツ語もOK、人好き・コミュニケーション好きという事実が語学能力にもつながっているのだろう。
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はたして、コミュニケーション能力の高さで、彼の右に出る人はいるのだろうか。その友達包囲網にも驚かされる。植山事務所にはサッチャー元英国首相をはじめ、リチャード・ブランソン、エリザベス・テイラーといった幅広い分野の著名人とのツーショット写真が飾られていた。「チャーリー・シーン、トニー・ベネット、ドナルド・トランプ、フローレンス・ジョイナー、ジェフリー・アーチャー、など今までいい関係で付き合ってきた人は数え切れません。別に誰かに段どってもらって知り合ったんじゃない。ある意味、猪突猛進です。ファンだったトニー・ベネットはレストランでばったり会ったのがきっかけだし、ジェフリー・アーチャーやリチャード・ブランソンには秘書を通じてインタビューを申し込んだら、あっさりOKしてくれたよ。」 この物怖じしない、がんがん行く姿には見た目以上の頼もしさを感じる。「仕事と遊びの境界線を曖昧にするのがいい、と思いながら過ごしてきたせいか、いろんな人脈が両方の世界で交差していくんです。」

元イギリス首相サッチャーとの写真

ブランソンとの写真
61歳にしてこのバイタリティ。「10年たって僕が71歳のじじいになるとは思えない。20年後は僕が81歳なんて、とってもじゃないけど信じられないんだよ。」
“小僧”とは、あるときから歳を超越してしまった存在のことを言うのかもしれない。
インタビュアー:土本真紀 / 写真:清水信吾
関連情報 ●植山周一郎さんの主な著書・訳書
●ヴァージン
内容(「MARC」データベースより)
階級社会のイギリスで、学歴もなく、ヒッピーのようなライフスタイルを貫きながら、起業家として「アメリカン・ドリーム」を実現し、万人から愛され続ける男・ブランソンが語った痛快自伝。98年刊の増補版。
●絶対に成功を呼ぶ25の法則
内容(「MARC」データベースより)
実際に成功した人々が実践した、時を超えた「成功の法則」を紹介する。これらの強力な法則を速やかに習得できるように、「成功の法則」を25章で構成し、「望むステージに到達する」ために実行すべき基本法則を記す。
●サラリーマン金太郎勝利学
内容(「BOOK」データベースより)
「世界のソニー」を背負って駆け抜けたサラリーマン人生がこの一冊に。常識はずれのサラリーマンがこの不景気をぶっとばす。







