I(アイ)を育む
今回は、2006年8月26日(土)に行われた小僧com主催、株式会社トリアス協賛の投資セミナー(詳細は、セミナーレポートをご参照ください)を省みながら、キャッシュ(現金)資産の運用について、考えてみたいと思います。
前回は、資産運用における資産分散をテーマにお話しましたが、その中で、キャッシュも重要な資産の一部であることをご紹介しました。先日、某経済紙において、1億円以上の金融資産を持つ「富裕層資産」が213兆円との記事がありました。この記事では、金融資産が1億円以上5億円未満の富裕層の資産構成において、預貯金を除くリスク性資産の比率が約67%(外貨預金など7%を含む)に上昇していることがハイライトされていました。一方、言及のなかった残りの資産が34%ほどの円建て預金でした。黄金3分割による、ほぼ1/3の比率に相当しますが、日本において、これほどキャッシュ比率が低くなっている状況は珍しいかもしれません。
ところで、この記事による富裕層のキャッシュ比率は、実際には外貨預金が含まれるので、約40%となりますが、日本の家計全体を見ると、現預金比率は55%弱になっています(2005年3月末日銀データ)。このうち、預金部分が金融機関や郵便貯金に回っているのですが、その運用先を見てみると、70%強が産業界への貸付、7%強が債券投資となっています。さらに、家計の金融資産の27%弱を占める年金・保険を見ると、その運用先は、債券投資が50%弱となっています。金融資産の78%強を占めるこれら預金・年金・保険をまとめると、国や地方、民間企業に対する貸付が40%強、債券が20%弱となります。民間の貸付先として、比率は下がってきているとはいえ、建設・不動産・卸・小売・金融といった、不良債権処理関連の領域への比率は今なお高いものがあります。
前回、安全な資産と思われているキャッシュにも変動リスクがあることをお話した背景には、金融機関や郵便貯金に一任している預金の運用先の破綻リスクなどを預金者がコントロールをできないという点がありました。果たして、金融資産の大半を円建ての銀行預金や郵貯に置いておくだけでいいのか〜キャッシュ運用における私自身の問題意識はここにありました。
8月26日の投資セミナーは「悠々自適の外貨投資」と題したものでしたが、実は、キャッシュ資産の運用を考えるための勉強会という意味がありました。このセミナーでは、外為法の規制緩和により、個人投資家でも、自由にグローバルに外貨投資ができる時代になったこと、かつそのような投資を行うにあたり、外国為替証拠金取引という新しい取引形態があることを勉強しました。この取引形態は、株式の信用取引と同様、証拠金を積むことにより、その証拠金の何倍かの外貨取引を行うことができるものです。外貨預金や外貨MMFに比べ、手数料も安く(ない場合もあります)、取引為替レートも市場レートにより近い価格をとることができます。このため、証拠金に対する倍率を低く抑え、高金利の国の通貨に中長期で投資、金利収入を中長期で積み上げれば、比較的変動の少ない為替市場の価格変動を相殺することができ、リターンを蓄積していくことが可能になります。もちろん、円建て預金に比べ、為替変動のリスクはありますが、証拠金に対する比率を上手にコントロールすることで、金利収入による効果を上げることができます。ただし、注意しなければならないのは、同様の取引形態で、倍率を極めて高く設定し、1銭、2銭の値動きで利益を確定していくやり方も可能ということです。この場合、悠々自適と全く逆で、欧米市場が開いている時間帯に活発にトレーディングをしなければなりません。取引に参加する際には、自分がどちらの目的なのか〜投資なのか?トレーディングなのか?〜をしっかり自覚し、中途半端を決して行わないことをルールとしなければなりません。
私自身、銀行預金や郵便貯金にキャッシュ資産を集中させないため、コストの高さに大きな?を感じながらも、外貨預金等で運用を続けてきました。コストの高さは、投資期間を長く設定することで回収するしかないとあきらめていました。今回、外国為替証拠金取引という形態で市場参入できることがわかりましたので、まずは実践あるのみ!自分で体験してみようと思います。次回は、取引開始に至るまでの体験記をご報告できればと思っています。






