パワースポットの神秘
私が世界中の聖地へと巡礼の旅に出たのには、三つの理由があった。その一つに、世界中の優れた聖なる建築物が、近代化や産業汚染によって破壊され失われてしまう前に、その姿を写真にとどめておくことである。
第4回 メテオラのギリシャ正教会ルサヌー修道院 ギリシャ
切り立った砂岩の岩山のてっぺんに建てられたメテオラの修道院は、世界でも類を見ない壮大な聖地だ。ギリシャ中北部テッサリア地方のペネウス渓谷を見下ろす土地に、メテオラの岩峰群はそそり立っている。メテオラとは“空中の岩”の意で、長い間人々に畏敬の念を抱かせてきた。旧石器時代の遺物が残っているので、紀元前10万年から4万年頃にこの岩山周辺に定住していた人がいたことがわかる。またキリスト教が広まるよりもずっと前から、隠遁者や行者たちがここに住んでいた。キリスト教の伝播は8世紀頃に始まり、12世紀頃には組織だった修道会ができていた。そして16世紀中頃、24のギリシャ正教会修道院が岩山の上に建築されたのである。修道院がある地点の標高は200〜600メートル(上からロープとウィンチを使って籠で運び上げてもらわなければたどりつけない修道院もある)で、18世紀中頃に一般の修道院制度への興味が薄らぐまで、ここは学問と芸術の中心地であった。だが、こうした「メテオリサ・モナスティリア」(高所に引っ掛けられた修道院の意)のほとんどがその後は見捨てられ、現在まで残っているものはわずか6カ所。そのうち4カ所は橋や、岩を切り出して作った階段を使って上ることができる。以前は人里離れた辺鄙な地域だったが、1960年代初めに高速道路が完成したおかげで、巡礼者や旅行客が訪問しやすくなった。








