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旅 パワースポットの神秘

第6回 マウイ島のハレアカラ・クレーター	アメリカ 文・マーティン・グレイ 訳・稲田智子 パワースポットとは、地球のエネルギーが特に集中して現れる場所。訪れた人に不思議な力と安らぎが与えられる場所です。日本では江原啓之さんがその力を紹介しています。パワースポットの第一人者として世界を巡るマーティン・グレイさんの著書「聖なる土地の力」から、マーティンさん個人にとっても重要な6ヶ所を選んでシリーズでご紹介します。

聖地が神聖視されるようになった経緯を調べていると、生命ある地球を畏敬しながら生きてきた太古の人々の存在がはっきりと浮かび上がってくる。そんな畏敬の念を、現在に生きるわたしたちの中に再び目覚めさせ、育てていくことができれば、世界的な環境破壊の危機に、よりうまく対処できるのではないだろうか。

第6回 マウイ島のハレアカラ・クレーター アメリカ

ハレアカラとは、マウイ島東側にある火山山頂のクレーターの名前である。ハワイ諸島の中では若い島であるマウイ島は、もともと200万年前頃にできた二つの別々の海底火山であった。地球の長い歴史の中で、火山は噴火を繰り返し、そのたびに溶岩の層を重ね、やがてその頂上部分が海上に顔を出したのである。東側の峰のほうが高く、標高は3055メートル、海底からの高さは約9100メートルもあるといわれている(ハレアカラ山の体積の97パーセントが海面下にあるのだ)。ハレアカラは世界最大の休火山クレーターといわれることが多いのだが、これは間違いで、地球上にはもっと大きな火山性のクレーター(カルデラと呼ばれる)がたくさんある。またハレアカラは正確には休火山ではなく、最近では1790年頃に噴火している(10世紀以降少なくとも10回は噴火した)。それに厳密に言えば、ハレアカラはクレーターではない。侵食作用によってできた二つの谷が、後年の火山活動で流れ込んだ溶岩によって部分的に埋まったのだが、その残りの部分がハレアカラなのである。それはともかく、ハレアカラの「クレーター」は、ニューヨークのマンハッタン島がすっぽりと入ってしまうほど巨大だ。クレーターの縁からは、標高差900メートル以上もある何キロものハイキングルートがあり、途中には夜を過ごすための小屋もある。ハレアカラとは“太陽の家”という意味で、もともと東側の峰だけをこう呼んでいた。ポリネシアの伝説によると、かつてあまりにも太陽が早く空を横切ってしまうため、人々が日中に活動できる時間がほとんどなかった。そこで半神半人のマウイがこの場所で太陽を捕らえ、ゆっくりと空を動くようにして昼間の時間を長くしたのだという。

考古学的調査によると、クレーターの内側にはいくつかの小さな神殿や祭壇跡(訳注 祭壇などが設けられた石組みの施設をヘイアウと呼ぶ)があり、800年頃にはすでにハレアカラがハワイの人々の崇拝対象になっていたことを示している。今日では、「ハレアカラ」というとクレーターを含む火山全体を指す。


関連情報

「聖なる土地の力」

マーティン・グレイの本●「聖なる土地の力」(basilico刊)
内容(「BOOK」データベースより)
パワースポット、そこでは地の「気」と訪れた人の「気」が呼応して、不思議な力と安らぎが与えられる。パワースポット研究の第一人者、マーティン・グレイが書き下ろした聖地における神秘的力についての考察と世界各地のパワースポットを紹介。

マーティン・グレイ

マーティン・グレイ Martin Gray

「ナショナル ジオグラフィック」誌のフォトグラファー。また人類学者として、世界中の聖地や巡礼地を研究し写真に残すという活動に専心している。これまでに25年という年月をかけて100カ国以上を巡り、約1000ヶ所もの聖地を旅してきた。日本でも、1年間滞在し、北海道から本州、九州までを自転車でまわって神道や仏教の聖山、聖地に足を運んだ。10代の頃に4年間インドで暮らした経験があり、以後30年にわたってさまざまな瞑想法やシャーマニズムの手法を実践し続けている。自ら撮影した写真をまとめたスライドショーはアメリカやヨーロッパ各地で上映され、何十万人もの観客を魅了した。また、著者のウェブサイトには、これまでに1500万人が訪れている。



稲田 智子 (いなだ・ともこ)

翻訳家。神戸女学院大学文学部英文学科卒。大手メーカーを退職後、書籍、雑誌記事など、ノンフィクションを中心に様々な翻訳を手がける。主な訳書に「ひとめぼれの法則―顔から始まる運命の恋」(小学館プロダクション)など。


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