ソムリエ港のこだわりワイン
11月の第三週の木曜日。フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレーにおいて、収穫祭や感謝祭のひとつとして行われています「ボジョレー・ヌーボー祭り」。日本では新酒の取り合い、うんちくの話し合いなどになっていて盛り上がっていますね。
このボジョレー地区はどういったワインが産出されているか、ボジョレーにはボジョレーしかないのか?といったことをよく聞かれます。
ボジョレーには10の畑名を名乗れる素晴らしい畑があります。
もちろんそれぞれ畑によって若干の味の差が出ますが、港に「目隠しをしてその違いを当てなさい!」と言われれば難しい所があります。
教科書やものの本で勉強させていただき「この畑はこのような味が特徴」などと書かれていても、やはりかなり難儀ですね。
今回ご紹介させていただく“マルセル・ラピエール”社ですが、「ここのワインはすごい」と誰しもが思うワインかもしれません。
なぜならば、かの「ロバート・パーカーJr.」がこのワインを初めて評価した時、「このワインはボジョレーのものではない」と言わしめたとても味が濃くパワフルなもので、今までのボジョレー地区のワインでは考えられないものだったからです。
有機農法でおのずと困難な道のりに出、自然の力によってアルコール発酵を行うなど大変難しい作り方をしています。が、そのおかげで力強さやコクなど、素晴らしいものが出来上がるのでしょう。
その中でもこの「ムーラン・ナ・ヴァン」はボジョレー地方でも、長期熟成に耐えられる味わいの強さ、一番力強い特長が現れる畑となっております。
飲んでいただきたい温度はちょっと低め?ですかね。14度から16度くらいかな。セラーをお持ちの方はセラーから出してすぐでも大丈夫です。常温に置いていられる方は飲まれる40分ほど前に冷蔵庫に入れるとちょっと冷えますのでそのくらい。酸味が少し現れ心地よい飲み心地になるでしょう。
飲んでいただきたいグラスですが、小ぶりの物がいいかもしれません。もちろん無ければ気にせずにですが。
合わせたい料理ですが、スパイスの香り立ちも特徴がありますので様々な料理との相性がいいです。冷えた状態でしたら、魚料理で煮込み物、イタリアンの「ズッパ・デ・ペシェ(魚のトマト煮こみスープ風)」「オマール海老のアメリケーヌソース」や、軽めのお肉料理など。または中華で、渡蟹の黒豆ソース炒めや羊の八角炒めなどは如何ですか。
和食との相性もいいものがありますが、今(ちょっと古いですかね)話題のもつ鍋とかしょうゆ味のちゃんこ料理などで楽しんでみては如何でしょう。
もっと簡単に、ミソをつけてキュウリをそのまま「もろキュウ」でも。
“赤ワインは常温で、白ワインは冷やして”というのが常識化しておりますが、そのワインによって飲みたい人の飲みたい温度、たのしみたい温度などが違うと思います。我々プロがお薦めする温度はあくまでもそのワインの特製を最大限生かせる温度を提案しているだけですので、強制ではありません。もちろん理にかなっている経験や実践がありますのでお薦めわしますけれど。
「○○のワインは冷やすと酸を余計に感じてしまう」とか、「○○のワインは温度を上げれば甘みが感じられる」とか理由がありますが、最後は飲む人の好みです。「氷を入れてオンザロックで」、「赤ワインも冷やして酸味を感じたい」「白ワインも常温で酸を感じないように」とか様々楽しまれてもいいのではないでしょうか。
ワインは肩肘張らずに、気軽に、気楽にですよ。
プロフィール

港信之(みなとのぶゆき)
ソムリエ、銀座Wine・Bar・Italian「SPACE」取締役支配人。2004年12月ホテル西洋銀座で開催されたジョエル・ロブションとロバート・パーカー両氏による「ヘドニスト・ディナー」(いわゆる「100万円ディナー」)のシェフ・ソムリエを務める等、数々のイベントで活躍した伝説的なソムリエ。
現在は銀座にある、イタリアンキュイジーヌとワインを楽しめるお店「SPACE」の支配人を務める。
バーテンダーとしても内外の大会で入賞する等、ワインに限らず、シングルモルトや日本酒、焼酎等お酒に関する知識は超一流。実際の作り手との交流も欠かさない。
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